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この機会に「もんじゅ」を止めなければ

23日深夜には終わるはずだった「もんじゅ」の炉内中継装置引き抜き作業は、ナトリウムが空気に触れて発火しないよう封入してあるアルゴンガスが漏れるなどのトラブルでヒヤヒヤさせられながらも、24日朝までかかってなんとか無事に終了した。

もちろん私は金曜の夜、この僥倖を祝して祝杯を上げた

 

福井新聞(6/23 17:59)

もんじゅ」引き抜き作業遅れ 機器類調整で夜以降に

(2011年6月23日午後5時59分)

 

 原子力機構は23日夕、引き抜きの準備作業を一時中断。再開は早くて午後8時以降になるもようだ。装置に付着している冷却材のナトリウムが空気と触れないようにするため、炉上部に設置した耐熱性の化学繊維製のじゃばら式容器を少しずつ伸ばしながら、1分間に約6センチずつ引き上げる。原子力機構は作業を終えるのに8、9時間かかるとしている。

 

福井新聞(6/23 20:55 )

もんじゅ落下装置引き抜き始まる 24日午前には作業完了か

(2011年6月23日午後8時55分)

 

 日本原子力研究開発機構は23日夜、高速増殖炉もんじゅ」(福井県敦賀市)で、原子炉容器内に落下した炉内中継装置の回収作業を始めた。器具に不具合が見つかるなど準備に手間取り、引き抜き開始は同日午後8時50分と大幅にずれ込んだ。順調に進めば24日午前には回収を終える見通し。

 同装置は直径46センチ、長さ12メートルの円筒状の構造物で、重さは3・3トン。昨年8月、燃料交換を終えて搬出するため同装置をつり下げた際に落下した。2回にわたり回収を試みたが、落下の衝撃で変形し、引き抜けなかった。そのため、「スリーブ」と呼ばれる上ぶたの一部(約3・6トン)と一体で引き抜くことになった。

 引き抜きは当初、午後3時ごろに始まるとみられていたが、収納する容器下部にある筒からアルゴンガスが漏れていると判明。ゴム製の部品が破損しているのが分かり、準備作業を一時中断した。

 その後、作業を再開して、装置の引き抜きに着手。装置に付着したナトリウムが空気と触れないようにするため、炉上部に設置した耐熱性の化学繊維製のじゃばら式容器を少しずつ伸ばしながら、1分間に6センチのペースで引き抜き始めた。

 

福井新聞(6/24 07:50)

もんじゅ落下装置回収終える 準備難航、作業大幅遅れ

(2011年6月24日午前7時50分)

 

 日本原子力研究開発機構は24日午前4時55分、高速増殖炉もんじゅ」(福井県敦賀市)で原子炉容器内に昨年8月落下した炉内中継装置(全長約12メートル、重さ約3・3トン)の回収作業を完了したと発表した。装置の点検などを経て今秋までに事故前の正常な状態への復旧を目指す。

 引き抜きは当初、23日午後3時ごろに始まるとみられていたが、収納する容器下部にある筒からアルゴンガスが漏れていると判明。ゴム製の部品が破損しているのが分かり、準備作業を一時中断した。引き抜き開始は同日午後8時50分と大幅にずれ込んだ。約20人の作業員がクレーンを使い作業を開始。10分間に24センチのペースで約8時間かけて徐々に引き上げた。

 引き抜きを無事終えた上で原子力機構は本年度内の40%出力確認試験の開始を目指してきたが、東京電力福島第1原発事故を受けた安全対策をめぐり、スケジュールの遅れは必至の状況。原子炉容器内に重さ3・3トンの大型構造物が落下し、経験したことがない大掛かりな回収作業に加え、「次はない」という緊張感が現場に重くのしかかった。

 

 

とにかくこれで、燃料棒を交換するための装置が炉内に落下して、運転も廃炉もできないという生殺し状態だけは解消された。

炉内からの燃料棒の取り出しが技術的には可能になったのだから、今がチャンスだ。

なにしろ、もともと危険な高速増殖炉というだけでなく、「もんじゅ」の直近には活断層まであるのだ。炉内に巨大な異物が入ったままの状態で地震に遭遇するという最悪の事態にならなかった幸運に感謝して、こんな超危険物はさっさと廃炉にするしかない。