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読む・考える・書く

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ガレキ問題の真相(2)

震災

前回から読む】

 

引き続き、ガレキ問題を見ていくことにする。

 

東京新聞(2/15)に、環境専門シンクタンク「環境総合研究所」の池田こみち副所長へのインタビュー記事が載っている。この中で池田氏がガレキ広域処理政策への非常に的確な批判を展開しているので、ポイントとなる部分を引用する。

まず、ガレキは本当に復興の足かせとなっているのか?

 

 「被災地に何度も足を運んでいるが、『がれきがあるから復興が進まない』という話は聞かない。被災地では、住宅再建や雇用の確保、原発事故の補償を求める声が圧倒的だ。がれきは津波被害を受けた沿岸部に積まれるケースが多いが、そこに街を再建するかはまだ決まっていない。高台移転には、沿岸部のがれきは全く全く障害にならない。がれきが復興の妨げになっているかのような論調は、国民に情緒的な圧力を加えているだけだ


言われてみれば当たり前の話で、ガレキがあるということはそこまで津波が侵入したということなのだから、同じ場所に街を再建すれば再び津波に襲われる危険性が残ることになる。

津波を避けて高台移転するなら沿岸部に仮置きしたガレキは問題にならないし、高台移転せず、防波堤を構築して津波に備えるのであっても、例えば宮脇昭氏の提唱する「森の防波堤」のような方法をとるのであれば、ガレキはむしろ防波堤の材料となる。いずれにせよ、慌ててはるか遠くまで運んで処理しなければならないようなものではない。

参考:

 宮脇昭 がれきも生かし、自然植生で「森の防波堤」を作ろう 東洋経済オンライン(3/7)

 misaのブログ <拡散希望>ガレキが命を守る森になる!

 

経済的妥当性はどうか?

 「放射性レベルが低いというのであれば、がれき処理専用の仮設焼却炉を現地に作って処理するのが最も効率的だ。雇用も生まれる。高い輸送費をかけて西日本まで持って行くのは、ばかげている」

 「東京都が既に協力しているが、問題は山積している。都心部で新たに処分場を確保するのは困難。焼却炉の維持管理や更新にもコストがかかる。できるだけ延命されなければならないのに、震災がれきを燃やしたり埋め立てたりすれば、焼却炉や最終処分場の寿命は確実に縮まる」

 

さらに、広域処理は無用な社会的軋轢まで生み出す。

 妥当性の三点目が社会的側面だ。広域処理をめぐっては、被災地と被災地以外で“対立構図”ができつつある。

 「被災地の人たちは、普段の生活ではがれきのことをあまり気に掛けていなくても、全国で『受け入れる、受け入れない』という騒ぎになれば、反対する住民への不信感が募るだろう。受け入れを迫られる住民たちも、本当は被災地をサポートしたいのに信頼できる情報もない中で心の余裕を失う。こうした対立構図をつくっているのは国だ


何一ついいことはない。

 

 池田氏はこう提言する。

 「現地で処理する場合、焼却しない場合などそれぞれの事情に応じて選択できる多様な代替案を早急に検討すべきだ。汚染が少なく分別が徹底されていれば木材などはチップにして燃料にすることもできる。広域処理する場合でも期間は一年のみとし、輸送距離の短い範囲でしっかりした施設を持つところに限定する。その間にリサイクルを促進したり専用の仮設焼却炉を増設したりすることが考えられる」

 

必要もなく経済合理性もないことに無駄な税金を費やし、そこに生じる利権に業者がたかる。その上、被災地とそれ以外の住民の間に無用な軋轢・対立を持ち込む。「絆」が大事とかもっともらしいことを言いながら、やっているのはその逆ではないか。

効果のない「除染」に膨大な税金を費やしているのと同様、ガレキの広域処理も愚の骨頂だ。

 

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