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自分で巻き上げた砂を吸い込んで墜落したオスプレイ

沖縄 基地問題 オスプレイ

 

今年5月17日、ハワイで訓練中のオスプレイが着陸に失敗して墜落し、搭乗していた海兵隊員2名が死亡した。

現場を撮影したこちらのビデオを見るとわかるが、もうもうと立ち込めた砂埃の中を、ほぼ自由落下のようにすとんと落ちている。

 

 

事故原因はまだ正式には発表されていないが、どうやらオスプレイ自身が巻き上げた砂を吸い込んでしまい、エンジンが停止したらしい。

 

赤旗(7/20)[1]:

 米オンライン軍事専門誌『ブレイキング・ディフェンス』は16日、米ハワイで5月17日に発生した米海兵隊垂直離着陸機MV22オスプレイの墜落事故について、エンジンが地上から巻き上げた砂を吸い込んで停止したことなどが原因だとした記事を掲載しました。

 また、米軍内部ではエンジンの吸気口フィルターの改良を求める声が以前からあったものの、放置されていたと指摘。今回の事故を受けて改良される可能性はあるものの、2017年以降になるとの見通しを示しました。

 ハワイで事故を起こした機体は、普天間基地沖縄県宜野湾市)に配備されているものと同型機です。

 記事によれば、経験を積んだ操縦士であれば、砂ぼこりの中でも10秒程度で着陸できますが、事故機は着陸前、45秒にわたってホバリング(空中静止)していました。その後、左エンジンが停止。残る右エンジンも砂を吸い込み、出力が低下したといいます。

 従来の飛行規則は、砂ぼこりで視界不良となった状況下での着陸に関し、60秒以内に完了できないと判断した場合は中止するとしていました。海兵隊は事故を受け、これを30秒以内に短縮しました。

(略)

 

ニュースソースのBreaking Defence誌記事[2]を見ると、オスプレイは普通のヘリコプターよりもこうした事故を起こしやすいことがわかる。明らかに機体の欠陥である。

 

The Osprey often encounters those conditions because of the powerful downwash created by its “proprotors,” whose diameter is smaller and whose blades have more twist than helicopter rotors so they can serve as propellers in forward flight.

オスプレイはしばしばそうした(砂埃で視界が悪い)状況に遭遇する。それは、前進飛行時にプロペラのように作用するその「プロップローター」が、ヘリコプターのローターより径が小さくねじれが強いために強力なダウンウォッシュ(吹き降ろし気流)を作り出すからである。

 

さらに、このBreaking Defence誌記事は、「オスプレイは片方のエンジンが停止しても飛べるから安全だ」というよくある主張が、一種の「安全神話」に過ぎないことをも暴露している。

 

The Osprey can fly on one engine like an airplane or even with the rotors angled upward somewhat, but only with the lightest possible load, under ideal conditions and at low altitude could a V-22 hover on one engine. In the Hawaii mishap, the right engine lacked enough power to stop the aircraft from falling after the left engine failed.

オスプレイは、エンジン1基でも飛行機のように飛ぶことができ、またローターを上向きにした状態でも多少は飛べる。ただし、V-22がエンジン1基でホバリングできるのは、搭載荷重が可能な限り軽く、理想的な条件下で飛行高度が低い場合だけである。このハワイの事故では、左エンジンが停止した後、右エンジンには機体の落下を防ぐだけの出力がなかった。

 

例えば、防衛省・外務省の『MV-22オスプレイの沖縄配備について』[3]は、次のように書いている。

 まず、MV-22は、垂直離着陸のできる固定翼機と捉えることができ、 その飛行の大部分は固定翼モードで運用され、 回転翼モードでの運用は全体のわずか5%にすぎないことを踏まえる必要がある。また、2基のエンジンが相互に離れて配置されており、 両方のエンジンが同時に故障する可能性は極めて低く、さらに、1基のエンジンのみでも両翼のローターを回転させ飛行することが可能で、通常は、1基エンジンが故障した場合は直ちに予防着陸を行うこととされている。

 こうしたことから、 MV-22がオートローテーションを求められる場面は殆ど想定されず、そのため、MV-22はオートローテーションを要求性能とはしていない。実際、これまでの10万飛行時間を超える運用実績からもそのような事態は一度も発生していない。

 

しかし、通常の運用では成立しない理想的な条件が揃ったときだけかろうじて可能です、などという状態を、普通は可能だなどとは言わないのである。また、今回のハワイでの事故が事実で示したように、両方のエンジンが同時に機能を失う、あるいは、片方が停止したときには既に他方もダメージを受けている、といった状況は十分にありうる。

防衛省・外務省の主張は、机上の空論に基づく安全神話の宣伝に過ぎない。

 

[1] 「砂吸いエンジン停止 米誌が報道 ハワイのオスプレイ墜落」 赤旗 2015/7/20

[2] Richard Whittle “Fatal Crash Prompts Marines To Change Osprey Flight Rules” Breaking Defence, 2015/7/16

[3] 防衛省・外務省 『MV-22オスプレイの沖縄配備について』 2012/9/19

 

次記事→オスプレイ安全神話の製造と布教に勤しむ防衛省

 

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