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「極秘」情報をマスコミに漏らすバカ政府と、それを堂々と記事にする「愛国」産経新聞

 

【安倍政権考】甘利元経済再生相の秘書口利き疑惑は、中国によるTPP妨害工作の一環ではないのか?! 政府が極秘に調査」(2/20 産経新聞)

いくらあの産経新聞といっても、さすがにこの記事はすごすぎる。開いた口がふさがらないとはこのことだ。

 

当然、ネットでは突っ込まれまくっている。

 

一応簡単にまとめておくと、

本当に「極秘に調査を開始した」のなら政府関係者がマスコミになど漏らすはずがない。中国の関与を疑いながら、わざわざこれから「内密に調べる」ぞ、と相手に教えて証拠隠滅の機会を与えるバカがどこにいるのか?

同じく、本当に極秘なら、「愛国」を標榜する産経新聞がスパイ摘発のチャンスを潰すような記事を掲載するはずがない。

そもそも、甘利が個人的な金銭スキャンダルでどうなろうと、TPPには何の影響もない。産経は

政府関係者は「千葉県の建設会社が道路新設工事をめぐる補償交渉で、甘利氏側に金銭提供などの動きを強めてきた時期がTPP交渉の大詰めを迎え、2月の協定署名に向けた時期と重なる」と指摘する。

と書いているが、中身が決まってあとは署名するだけという段階になって甘利を潰して何の意味があるのか?いや、それ以前に、「交渉」と言いつつ甘利(というより安倍政権)がアメリカの要求を丸呑みするばかりで何の抵抗もしてこなかったことがすでにバレているではないか。

 

もちろん、こんな記事を御用新聞に書かせる政権の意図は、

 日本政府は、英米のような英秘密情報部(MI6)や米中央情報局(CIA)などの組織を持たず、日本国内での対応も重視してこなかった。

 (略)

 日本政府は昨年12月に海外で国際テロ関連の情報を収集する「国際テロ情報収集ユニット」を立ち上げたが、国内で暗躍する外国諜報員への対応も急務となっている。

と危機感を煽って諜報活動(その主要ターゲットは外国のスパイなどではなく市民運動である)や情報統制への抵抗感を薄めることにある。この産経記事自体は笑うしかないヨタ記事だが、これを書かせる安倍政権の狙いは警戒すべき危険なものなのだ。

 

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