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マスコミやネットにあふれる偏向情報に流されないためのオルタナティブな情報を届けます。

「えらぼーと2016」をやってみた(その2)経済・財政関連

■消費税率引き上げ → 延期または中止

消費税

消費税はそもそも、貧しい者ほど負担が重く、富裕層ほど軽くなる、所得再配分に逆行する悪税である。その上、増税分を価格転嫁できない弱い立場の下請け企業を苦しめる下請けイジメ促進税でもある。

しかも、消費税増税分のほぼ全額が法人税減税によって相殺され、少しも社会保障には回っていない。

この上の税率引き上げなどとんでもない話で、消費税率は段階的に引き下げ、不当に優遇されている大企業と富裕層への適正な課税によって財源を確保するべきだ。

■「アベノミクス」の恩恵 → 及んでいない

アベノミクス

普通の生活者が身の回りを見渡してみれば、「アベノミクス」の恩恵などないことは一目瞭然だ。「アベノミクス」とは結局のところ、年金基金などの公共財を株式という博打に投入してバブルを作り出し、好景気を演出して見せたに過ぎない。恩恵を得るのは富裕層だけ。

そしてついに、トリクルダウンなど起きないとあの竹中平蔵までが言い出した[1]。すべては嘘だったのだ。

 テレビ朝日系の「朝まで生テレビ!」。「激論!安倍政治~国民の選択と覚悟~」と題した1日放送の番組(略)

 (略)冒頭、「アベノミクスは理論的には百%正しい」と太鼓判を押した竹中平蔵氏。アベノミクスの“キモ”であるトリクルダウンの効果が出ていない状況に対して、「滴り落ちてくるなんてないですよ。あり得ないですよ」と平然と言い放ったのである。

(略)

 竹中平蔵氏がトリクルダウンの旗振り役を担ってきたのは、誰の目から見ても明らかだ。その張本人が今さら、手のひら返しで「あり得ない」とは二枚舌にもホドがある。埼玉大名誉教授で経済学博士の鎌倉孝夫氏はこう言う。

「国民の多くは『えっ?』と首をかしげたでしょう。ただ、以前から指摘している通り、トリクルダウンは幻想であり、資本は儲かる方向にしか進まない。竹中氏はそれを今になって、ズバリ突いただけ。つまり、安倍政権のブレーンが、これまで国民をゴマカし続けてきたことを認めたのも同然です」

 こんな男が今も政府の産業競争力会議の議員を務めているなんて、安倍政権のマヤカシがよく分かる。

■財政健全化に向けた取り組み → 無回答

財政健全化

財政健全化は必要だが、この選択肢では選びようがない。

歳出削減はすべきだが、削減すべきは軍事費や米軍への「思いやり予算」、原子力推進のための有害無益な支出などであって、社会保障や教育への支出は増やさなければならない。公共事業も、リニアや無駄な箱モノは削るべきだが、老朽化する全国の道路や橋・トンネル等の補修は急務である。

増税も必要。ただし、消費税ではなく、不当に軽減し続けてきた法人税富裕層への適正な課税によって税収を増やすべきだ。タックス・ヘイブンを利用した租税回避などのズルを許さない対策も必要だ。

経済成長もやはり必要。ただし、「アベノミクス」のような的外れな政策ではなく、働く者の収入を増やすことによる消費活動の活性化を図るべきだ。一番即効性があるのは最低賃金の引き上げ(少なくとも1500円以上へ)と非正規職員の正規化促進だろう。

あともう一つ、国会に諮ることなく官僚が勝手に仕切っている特別会計を解消し、一般会計に統合する必要がある。

一言で言えば、政府支出の優先順位の抜本的な見直しと税制改革によって財政健全化を図るということだが、そのような選択肢は用意されていない。よってここは無回答。

TPP → 反対

TPP

TPPは、プラスの経済効果はほとんどない一方、膨大な害悪をもたらす。そうでなくても瀕死の状態にある日本の農業に止めを刺すだけでなく、健康保険制度を形骸化させ、日本を高額な医療費・医療保険に苦しめられるアメリカのような社会に変えてしまう。当然反対。

あと、TPPに関しては、これも決して忘れてはならない。

■年金 → 給付水準維持

年金

そもそも、現状での老齢基礎年金の給付水準が低すぎる。何十年もこつこつ働き、税金を納め、年金保険料も支払ってきたあげくの給付金が生活保護水準にも満たないとはどういうことか。先進国としてこんな制度はあり得ない。

しかも安倍は、勝手に株に年金基金を突っ込んで何兆円もの損失を出しておいて、運用成績が悪ければ年金給付を減額するなどと言うのだ[2]。こんなデタラメを許してはならない。

年金給付減額あり得る=GPIF運用悪化なら-衆院予算委・安倍首相

 衆院予算委員会は15日午後、安倍晋三首相と関係閣僚が出席して経済などに関する集中審議を続けた。最近の株価下落で年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の運用損拡大が指摘されていることに関連し、首相は「想定の利益が出ないなら当然支払いに影響する。給付に耐える状況にない場合は、給付で調整するしかない」と述べ、運用状況次第で将来的に年金支給額の減額もあり得るとの認識を明らかにした。

(略)

選択肢に「維持」と「減額」しかないからやむを得ず維持と回答したが、本来ならすべての高齢者に人間としての尊厳ある生活を保証するだけの給付水準に増額すべきである。また、いくつもの制度に分かれた複雑な年金制度を統合し、簡明化するべきだ。国民年金と厚生年金を統合するだけでなく、議員年金も統合して同一基準での支給にすれば、少しは政治家も年金問題をまともに考えるようになるのではないか。

同一労働同一賃金 → 正規非正規の差はなくすべき

同一労働同一賃金

同じ仕事をしているなら同じだけの賃金を支払う。当たり前のことである。

だが、そんな耳障りの良いことを言いつつ、低い方に合わせて「同一」にしようとする輩がいるから注意しなければならない。

派遣社員が正社員と同様な仕事をしているなら正社員並みの賃金を支払うべきだ。

それでは派遣を使う意味がないって?だったら派遣などやめてしまえ。もともと派遣会社による中間搾取を許す規制緩和自体が間違っていたのだ。

■格差 → 広がっている

格差

この設問に「解消に向かっている」などと回答する候補者・政党には絶対に投票してはならない。

ちなみに現実はこうだ。

原発 → 必要ない

原発

有害・危険な上に経済的にも成り立たない原発など不要。議論の余地なし。

■待機児童解消に向けた財政支援 → 増やすべき

待機児童

当たり前すぎてコメントは不要だろう。

■「地方創生」の成果 → 表れていない

地方創生

これも、地方に行って周囲を見渡してみれば自明な話だ。

 

[1] 『「トリクルダウンあり得ない」竹中氏が手のひら返しのア然』 日刊ゲンダイ 2016.1.4
[2] 『年金給付減額あり得る=GPIF運用悪化なら-衆院予算委・安倍首相』 時事 2016.2.15

前記事:「えらぼーと2016」をやってみた(その1)憲法関連
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