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「えらぼーと2016」をやってみた(その3)安全保障・外交関連

 安全保障関連法 → 廃止すべき【2016/7/9追記】

安保法

 安全保障関連法(戦争法)は、そもそも違憲である。当然ながら違憲の法律は無効。その上、参院平和安全法制特別委員会での採決時には「速記中止」「議場騒然、聴取不能」だったのであり、採決自体がされていない。違憲かどうか以前に法として成立していないのだ。

これを安倍自民党は、参院の議事録を改ざんすることで、成立したことにしてしまった。

 議会制民主主義国としてこんなことはあり得ない。安保法は違憲・無効・不成立であり、安保法に基いて行われるすべての行為は違法行為である。【追記終り】

普天間移設先 → 国外

20160704215432

いわゆる「普天間移設」問題に関してまず認識しておかなければならないのは、そもそもこれは普天間基地の「移設」などではなく、新基地の建設だということだ[1]。この設問自体がミスリードなのである。

 名護市辺野古の米海兵隊キャンプ・シュワブ陸上と、そこから突き出した埋め立て地に建設予定の、普天間航空基地の代替施設は、

  • 滑走路を2本持つ
  • 海軍強襲揚陸艦(ヘリ空母)を横付け出来る岸壁を持つ
  • 弾薬搭載エリアを持つ

等、普天間には無い機能を持った全く別な基地です。

 そもそも、普天間閉鎖・返還が合意された直後に、米軍との交渉に当たった元国土事務次官・下河辺淳氏は、米軍の最初の代替施設要求は、シュワブ陸上に長さ30m~50mのヘリコプター着地帯だけだったと証言しています。だから、辺野古現行案は普天間の代替施設ではなく、新基地建設なのです。

米日政府は、市街地のど真ん中にある普天間基地の「危険性」を人質として、在沖米軍の機能を強化する新たな基地の建設を沖縄に飲ませようとしている。こんな理不尽を許してはならない。

普天間基地は即刻無条件で閉鎖すべきであり、新たな基地など、沖縄県の中にも外にもいらない。だから回答は「国外」。

核武装 → 将来にわたって検討すべきでない

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使うつもりがないなら核を持つ意味はない。使うつもりなら、こちらが使われても文句は言えない。

核武装すべきだなどと世迷い言を言う政治屋は、それだけの覚悟があって言っているのか?それとも、万一核戦争になっても自分たち特権階級は核シェルターに入れるから大丈夫、死ぬのは下々の者だけとでも思っているのか?

核兵器を持てなどと言う馬鹿者どもは、落選だけで済ませてはならない。二度と政治の場に戻って来れないようにするべきだ。

「慰安婦問題」日韓合意 → 評価しない

20160706220243

改めて言うまでもなく、旧日本軍による慰安所制度は、まぎれもない性奴隷制度であり、20世紀に引き起こされた数々の人道問題の中でも最悪のものの一つである。加害者である日本政府は、どうすればその罪を償うことができるのか。

この問題に限らず、組織的犯罪行為の責任を取るには、次の五つのことを行わなければならない。

  1. 真相究明
  2. 謝罪
  3. 賠償
  4. 責任者の処罰
  5. 再発防止

今回の日韓合意の結果、このうちの一つでもまともに実行されたか?なすべきことが何ひとつ行われていないのに、問題の解決などできるはずがないだろう。

この日韓合意は、被害者を置き去りにしたまま両国のボス同士が行った「手打ち」でしかなく、問題解決にはつながらない。当然、評価になど値しない。

手遅れになる前に、日本政府はもう20年も前に国連「女性への暴力」特別報告者によって勧告されている以下の内容[2]を実行しなければならない。

137. 日本政府は、以下を行うべきである。

(a)第二次大戦中に日本帝国軍によって設置された慰安所制度が国際法の下でその義務に違反したことを承認し、かつその違反の法的責任を受諾すること。

(b)日本軍性奴隷制の被害者個々人に対し、人権及び基本的自由の重大侵害被害者の原状回復、賠償及び更正への権利に関する差別防止少数者保護小委員会の特別報告者によって示された原則に従って、賠償を支払うこと。多くの被害者が極めて高齢なので、この目的のために特別の行政的審査会を短期間内に設置すること。

(c)第二次大戦中の日本帝国軍の慰安所及び他の関連する活動に関し、日本政府が所持するすべての文書及び資料の完全な開示を確実なものにすること。

(d)名乗り出た女性で、日本軍性奴隷制の女性被害者であることが立証される女性個々人に対し、書面による公的謝罪をなすこと。

(e)歴史的現実を反映するように教育内容を改めることによって、これらの問題についての意識を高めること。

(f)第二次大戦中に、慰安所への募集及び収容に関与した犯行者をできる限り特定し、かつ処罰すること。

対ロシア外交 → 独自外交を進めるべき

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日本がロシア(に限らないが)との外交を進めるのに、いちいち米国の鼻息を伺う必要などない。当然、独自外交を進めるべき。

対中国外交 → 対話を重視すべき

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最大の貿易相手国でもある隣国の中国と、対話もせずにいったいどう外交しようというのか? 「強い態度」などというものは、空疎なプライドをくすぐって人民の不満をそらすための、内向きのパフォーマンスでしかない。

トランプかクリントンか → どちらとも言えない

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アメリカ版安倍晋三とでも言うべきトランプは最悪だが、かといってウォール街と軍産複合体の代理人クリントンも到底支持できる候補者ではない。ただ、サンダースの大健闘の結果、クリントンは彼の主張の一部を公約に取り込まざるを得なくなっており、その点でトランプより多少はマシかも知れない。しかし、積極的に支持するのは無理。

 

[1] 沖縄米軍基地問題検証プロジェクト 『それってどうなの?沖縄の基地の話。』 2016年 P.8
[2] 『ラディカ・クマラスワミ国連報告書』 日本の戦争責任資料センター 1996年 P.39

前記事:「えらぼーと2016」をやってみた(その2)経済・財政関連
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