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自分はやましいことはしてないから共謀罪なんて関係ない…と思っている人たちへ

共謀罪への関心が薄い理由

森友学園問題の騒動にまぎれて、超弩級の悪法「共謀罪」法案が国会に上程されようとしている。

しかし一般の関心は薄い。

権力監視の責務を放棄したマスコミの怠慢ももちろん原因のひとつだが、共謀罪の危険性に関心が集まらない根本には、恐らくこういう感覚があるのだろう。

権力に「思想」や「内心」を弾圧できる凶器を与えることに危機感を感じないのは、たとえそんな法律ができても、それが自分に適用されたり害を及ぼすことは決してない、と信じているからだろう。

だが、それは歴史を知らないがゆえの甘い見通しだ。

共謀罪が作り出す監視・密告社会

犯罪の実行やその具体的準備行動ですらなく、相談や同意の段階で処罰できる共謀罪がいったん成立すれば、今度は「相談」や「同意」そのものが「犯罪」となる。

するとどうなるか。警察にとっては、摘発すべき「相談」や「同意」が行われていないか社会全体を常に監視することが、犯罪捜査のために必要な日常業務となるのだ。

ディストピアSFなみの警察国家の完成である。あなたのメールやLINEやSNSでの会話もすべて監視対象となる。犯罪捜査だからもちろん匿名性など何の役にも立たない。

そして、共謀罪のある社会は、そのまま密告社会でもある。

もっとも、ここまで指摘されても、自分は常に国家権力の側に立っているから安全だと信じる自称「普通の日本人」のような人々は危機感など感じないのだろう。

確かに、そうした人々に共謀罪が直接適用される可能性は(少なくとも当面は)低い。これで真っ先に弾圧されるのは、沖縄での基地反対運動など、政権の意志に抗う人々だろう。

だが、そんなことを許した結果がどうなるかは、歴史が教えてくれている。

■ 歴史への無知と想像力の欠如が破滅をもたらす

かつての治安維持法によって行われたように、政権の意志に反対する人々が口を封じられ、社会から排除されてしまえば、国家権力の暴走を止める手段は何もなくなる。そして、愚かな権力者であればあるほどこのような悪法を活用して反対者の弾圧に勤しむだろう。

行き着く先は経済破綻か、再度の原発過酷事故か、あるいは必要もない戦争を始めたあげくの敗戦か。いずれにせよ、そうなったときには「普通の日本人」も被害を免れることはできない。

そのときになって、かつての敗戦時のように「騙されていた」などとは言わないことだ。そうした結果をもたらすのは間違いなく、共謀罪に反対するのは「やましいことがあるから」などと言っているあなたたちだ。
 

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