テレビ朝日のモーニングショーで、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔が、テレビの現状は「真実を伝えるための道具ではない」と厳しく批判した。
(略)「たとえば、(情報番組で)中国のネガティブなニュースは伝えられるけど、ポジティブなニュースは伝えられない。それはネガティブなニュースを聞いて安心できる人がいるからですよ。やっぱり中国、韓国はこうだったんだ。中国には負けたくないからネガティブなニュースは信じる。信じて安心したいだけなんですよ」とし、「テレビは不安を解消するための道具で、真実を伝えるための道具ではない」と苦言も。自身がツイッターなどで発信し続ける理由については「間違っていててもいいから発信し続けること。自分の見たものを発信することが誰かの何かを刺激する。どっちの意見だとしてもしゃべらないといけない。炎上したら広がる。広がったら考える人がいる」と説明した。
これに対して羽鳥アナが「(テレビが)視聴者を安心させるためのもので、それじゃダメなんですか?」と反論。ネットでは賛否両論が飛び交っている。
(略)羽鳥慎一アナウンサー(47)は「僕は違うと思う。広めるために炎上させようというのはダメだと思う。(テレビが)視聴者を安心させるためのもので、それじゃダメなんですか?」と厳しい表情。宇賀なつみアナウンサー(32)は(略)「報道に憧れて入ってきた自分は現実とは違ったな、と情けなくて悔しかったりするところもある」と神妙に語っていた。
しかし、仮にも報道機関が真実の追求を放棄して、視聴者が聞きたがる、安心できる情報だけを与える《宣撫機関》になるなど、そんなことダメに決っているだろう。
「視聴者を安心させるーそれじゃダメなんですか」と羽鳥
— ブースカちゃん (@booskanoriri) 2019年2月21日
ダメに決まってるだろ阿呆。
(・ω・)
ウーマン村本、TVに苦言「真実を伝える道具ではない」 羽鳥アナは主張に猛反論「違うと思う」― スポニチ Sponichi Annex 芸能 https://t.co/iDsPBuvgM7
議論などするまでもなく自明だと思うのだが、今度はこの論争に小林よしのりが参戦してきた。案の定、村本を攻撃する側からである。
そもそも村本の炎上ツイッターは「真実」を伝えて
いるのか?
炎上したら議論のきっかけになるという論法は単なる
無責任でしかない。
(略)
馬鹿馬鹿しいにも程がある。
自分の言葉に責任を持ちなさいと諭すのは、相手が子供
ならやってもいいが、いい年こいたおっさんにそんな
ことから諭すのは無駄だ。『ゴーマニズム宣言』は尖った言論に見えるかもしれないが、
無責任に、意図的に、摩擦係数を高くしているわけではない。
『ゴー宣』には、編集部からの徹底したファクト・チェック
が入ってくる。
わしも思いつくままに表現しているわけではなく、資料と
しての専門書を読んでいるし、編集者も資料に当たって、
ファクトチェックする。
真実を伝えたいのだから、反射神経のみで描いてるわけ
じゃないのだ。
ところで、ここで注目すべきなのは、村本に説教している前半部ではなく、その後の部分だ。なんと、『ゴー宣』には編集部による「徹底したファクト・チェック」が入っているというのだ。
『ゴー宣』がファクトチェック済みだとは、まさに噴飯モノと言うしかない。『新ゴーマニズム宣言SPECIAL 戦争論』一冊を見るだけでも、いくら指摘しても指摘しきれないほどのデタラメとヘイトの塊ではないか。
そういえば小林は、昨年にも「わしは膨大な専門家の書籍・歴史資料を基に、「客観」で描いている」とか言って、社会学者の倉橋耕平氏を攻撃していた。
しかし、いくら読書量や蔵書の数を自慢したところで、読んでいるのがこんな代物(『戦争論』引用・参考文献より抜粋)ではどうしようもない。
- 『仕組まれた“南京大虐殺”』 大井満/展転社
- 『南京事件の総括~虐殺否定十五の論拠~』 田中正明/謙光社
- 『正論』平成10年4月号 「改めて『ラーベ日記』を徹底検証する」 東中野修道/産経新聞社
- 『散華の心と鎮魂の誠』 靖国神社編/展転社
- 『教科書では教えない戦後民主主義の幻想』 藤井厳喜/日新報道
- 『歴史教育を考える』 坂本多加雄/PHP新書
- 『歴史を裁く愚かさ』 西尾幹二/PHP
- 『償いは済んでいる』 上坂冬子/講談社
- 『国が亡びる』 中川八洋/徳間書店
- 『世界から見た大東亜戦争』 名越二荒之助/展転社
- 『検証 戦後教育』 高橋史朗/広池出版
- 『従軍慰安婦問題の経緯』 上杉千年/國民會館叢書
- 『「従軍慰安婦」論は破綻した』 西岡力/日本政策研究センター
- 『教科書が教えない歴史』 藤岡信勝・自由主義史観研究会/産経新聞社
- 『大東亜戦争への道』 中村粲/展転社
- 『封印の昭和史~「戦後50年」自虐の終焉~』小室直樹・渡辺昇一/徳間書店
- 『正論』平成8年12月号「『三光作戦』の教科書削除を要求する」 田辺敏雄/産経新聞社
小林の言う「ファクト・チェック」とは、こうしたトンデモ本の記述と自分が描いたものを突き合わせて、齟齬がないかチェックすることなのだろう。
一応教えておいてあげるが、そういうのを「ファクト」チェックとは言わない。
まあ、小林本人はもうどうしようもないとして、大手出版社の編集者までもがこれと同レベルというのでは恥ずかしすぎないか? なんとも嘆かわしい限りだ。
“自身は漫画『ゴーマニズム宣言』で風刺を交えて社会・政治問題を扱っているが、「『ゴー宣』には、編集部からの徹底したファクト・チェックが入ってくる」という。”
— usako (@usakojpn) 2019年2月25日
爆笑。小学館の「ファクト・チェック」とは、一体何をすることなのか? https://t.co/RXJ6D4261i
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