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マスコミやネットにあふれる偏向情報に流されないためのオルタナティブな情報を届けます。

福島第一原発事故に関する信頼できそうな情報源

福島第一原発は、一方で外部電源の一部回復などにより多少改善されつつあるように見えながら、他方では今日も建屋から原因不明の煙が上がるなど、不透明な状況が続いている。

それなのに、マスコミではコメンテーターや専門家と称する御用学者たちが根拠薄弱な「安全」「安全」の大合唱。なにしろ事故発生以来、テレビで「安全だ」と言うたびに事態が悪化してきたのだから、こんな逆狼少年状態はむしろ不信感を増幅させるだけだろう。

一方ネットでは、今にもチェルノブイリ級の破局が訪れるかのような言説や、東京でさえすぐ逃げ出さないとガンになるかのような言説が飛び交って、恐怖を振りまいている

当たり前だが、どちらも信用できない。

結局、信頼できる情報は、自分で探し出すしかない。

以下は、現時点で私が一応信頼できそうだと考えている関連情報のリストである。しかし、所詮は私の主観に基づいて選んだものなので、正しいという保証はできない。最終的には各自で判断して欲しい。判断の基準は、結局のところ根拠の明確さと論理的整合性だと思う。

 

  • 原子力資料情報室ニュース記事
    とても参考になるが、大部分の情報は記者会見のビデオ中継という形で発信されているため、見て理解するのにえらく時間がかかる。誰か内容を要約してまとめてくれると助かるのだが。
    所在地である新宿での放射線量測定結果も随時公表している。今日は屋外での値が高めだが、これは雨のせいで自然界にあるラドンの影響が出てきているためで、原発とは無関係とのこと。
    【訂正 3/27】 やはり福島第一原発からの放射性物質の影響もあるとのこと。元記事が訂正されている。

  • 原発に関するQ&Aまとめ+
    3/16時点で更新が止まっているが、今回の原発事故について知りたいと思う基本的な情報がQ&Aの形でうまくまとめられている。

  • 「最悪シナリオ」はどこまで最悪か
    今回の事故は最悪の場合いったいどこまでいってしまうのか?という、誰もが知りたい疑問に対して、仮に最悪のシナリオに沿って事態が推移したとしても、再臨界と水蒸気爆発の可能性はあるものの、核爆発やチェルノブイリのような破滅的事態には至らないだろうという推測が、論理的に筋の通った形で説明されている。
    ただし、最悪シナリオで放出される放射能はこれまでに放出されたものより桁違いに多くなりうるため、より広い範囲で避難やヨウ素剤の配布が必要になるかもしれないとのこと。

  • 福島原発の放射能を理解する
    UCSB物理学科のBen Monreal教授の講演スライドの日本語訳。原発内に蓄積された放射性物質の危険性に対する評価がだいぶ甘いような気もするが、全体としてはよくまとまっていると思う。

  • 日本の原発についてのお知らせ 英国大使館
    3月14日?に英国大使館で行われた専門家による会見のレポート。これも放射能レベルに関する評価が甘いような気はするが、少なくともチェルノブイリとは状況が違うことは分かるので、ネット情報で不安に駆られている人にはまずこれを読むことをお勧めする。