スタジオジブリが、屋上に「原発ぬきの電気で映画をつくりたい」という横断幕を掲げて、話題を集めている。
スタジオジブリ屋上に横断幕「原発ぬき電気で映画をつくりたい」
オルタナ 6月17日(金)11時7分配信
アカデミー賞作品「千と千尋の神隠し」など、数々の名作アニメ映画で知られるスタジオジブリ(東京都小金井市)の屋上に「原発抜きの電気で映画を作りたい」と書かれた横断幕が登場した。付近にはJR中央線の高架橋があり、電車からも見える。同スタジオは横断幕について「取材には応じていない」と話している。
横断幕の存在は16日正午頃からツイッター上で話題に。7月公開予定の最新作「コクリコ坂から」で企画と脚本を手掛ける宮崎駿氏は、東日本大震災後の3月28日に開かれた記者会見で東電原発事故に触れ「考えなければならないのは、プロメテウスの火をどうしたらコントロールできるか。私はこの地を一歩も退かないと決めています」と語った。
ちなみに同スタジオの過去の作品には、原発事故後の世界を思わせるかのような短編アニメ映画もある。(オルタナ編集部=斉藤円華)
この「原発事故後の世界を思わせるかのような短編アニメ映画」というのは何だろうと思ったのだが、なんとCHAGE and ASKA「On Your Mark」のプロモーション・ビデオだという。1995年だから、もう16年も前の作品だ。
zaraさんのブログ経由で、アップされた動画を見つけることができた。
http://zoome.jp/crossbox/diary/139
チェルノブイリの石棺を思わせる巨大な建造物と、放棄された無人の村。
地下に築いた都市に逃げこみ、放射能を避けて暮らしている人々。
今から見ると、まるで予言のような内容だ。
この短いアニメのラスト近く、主人公の二人が、助け出した翼のある少女とともに、車で地下都市から飛び出してくるシーンがある。
その背後には、原発の排気筒のようなものが地面からたくさん突き出している。
これを見た私の友人は、「地下原発だ」とつぶやいた。
言われてみて気がついた。
そう。地下都市に逃げ込んだ人々は、地上を死の世界にした原発になおも頼り続け、やがて地下をも満たして自分たちを滅ぼすことになる放射能を日々作り出し続けているのだ。
麻薬中毒同然の、究極の愚行。
福島第一原発の事故を目の前にしながら、今なお原発は必要だとか、地下に作れば安全だとか言い続けている人々の愚かさは、これと同質のものではないだろうか。