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祝・TOKYO MXテレビ『ニュース女子』放送打ち切り!しかしまだ終わりではない。

取材もせずに沖縄・在日ヘイトを垂れ流していたフェイクニュース番組「ニュース女子」が、ついにTOKYO MXテレビで放送打ち切りとなった。

昨年1月2日放送の「沖縄基地問題特集」は、既にBPO(放送倫理・番組向上機構)の放送倫理検証委員会から、「重大な放送倫理違反があった」との決定を出されている[1]。

(略)当該番組はTOKYO MXが制作に関与していない“持ち込み番組”のため、放送責任のあるTOKYO MXが番組を適正に考査したかどうかを中心に審議した。
委員会は、(1)抗議活動を行う側に対する取材の欠如を問題としなかった、(2)「救急車を止めた」との放送内容の裏付けを制作会社に確認しなかった、(3)「日当」という表現の裏付けの確認をしなかった、(4)「基地の外の」とのスーパーを放置した、(5)侮蔑的表現のチェックを怠った、(6)完パケでの考査を行わなかった、の6点を挙げ、TOKYO MXの考査が適正に行われたとは言えないと指摘した。そして、複数の放送倫理上の問題が含まれた番組を、適正な考査を行うことなく放送した点において、TOKYO MXには重大な放送倫理違反があったと判断した。

この放送打ち切りは、MX社屋前でのスタンディングをはじめ、粘り強く抗議を続けてきた多くの人々が勝ち取った成果であり、この点は素直に喜びたい。


しかし、まだまだこの問題は終わりではない。TOKYO MXでの放送が打ち切られても「ニュース女子」の制作自体がなくなったわけではないし、地方での放送も続いている。またTOKYO MXはこの件について謝罪もしておらず、今後この手の悪質な番組を放送しないという保証もない。何より、問題番組は「ニュース女子」だけではない。


とはいえ、このようなメディアを使った暴力をやめさせることができたこと、闘いが無駄ではなかったことを示せたことは大きい。このうねりを、さらに大きなものにしていかなければならない。


[1] 「東京メトロポリタンテレビジョン『ニュース女子』沖縄基地問題の特集に関する意見」 BPO 2017/12/14

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