16日夜、自衛隊の統合幕僚監部に所属する幹部自衛官(30代、三佐)が、民進党の小西洋之参院議員に向かって、「おまえは国民の敵だ」などと罵倒する事件が発生した。
16日午後9時ごろ、三佐が国会周辺をランニング中、参院議員会館付近の路上で小西氏と偶然遭遇。小西氏によると、三佐は約15分間、「おまえは国民の敵だ」「おまえの議員活動は気持ち悪い」などとののしったという。近くにいた複数の警察官が駆け付けた後も同様の発言を繰り返し、小西氏が制止してもやめなかった。小西氏がその場から防衛省の人事担当者に電話で連絡したところ、最終的に発言を撤回した。
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統幕トップの河野(かわの)克俊統合幕僚長は同日、小西氏に謝罪。三佐について本紙の取材に「私の所に報告にも来るが、大変まじめな幹部自衛官」と評した。防衛省は「不適切な発言で、暴言とも受け止められかねない」として詳しいやりとりを調べており、処分などの対応を検討する。
小西氏は国会でイラク派遣日報問題を連日取り上げていた。取材に「自衛官が国会議員に暴言を吐くとは空前絶後の大事件で身の毛がよだつ。河野統幕長は即刻辞任すべきだ」とした。
イラク派遣日報問題で批判の矢面に立たされている防衛省・自衛隊内では不満がくすぶっている。陸自中央の佐官は、罵声を浴びせた三佐を「ばかなことをしてくれた」と切り捨てる一方、自衛隊の現状について「日報の探索の指示が不明確だったり、時間がない中で探索に追われている。隠蔽(いんぺい)と言われ続けることには憤りをずっと感じている」と漏らした。
その気になれば武力で国内を制圧できる組織である自衛隊の、それも幹部自衛官が、政治的見解の相違から国会議員を罵倒するなど、絶対にあってはならない暴挙である。
隊員の政治的行為を禁じた自衛隊法に違反することはもちろん、完全な文民統制に服さなければならない自衛官が、民意の代表である国会議員を罵倒・恫喝したのだ。まさに民主主義の危機である。
「お前は国民の敵だ」現職自衛官が民進・小西氏に暴言か:朝日新聞デジタル https://t.co/0wD8VVmV9t 実力組織である自衛隊の中枢に勤務する幹部自衛官が、国民の代表である国会議員に対してこのような発言を繰り返したのは極めて深刻な事態です。これが許されれば、民主主義は危機におちいります。
— 宮本徹 (@miyamototooru) 2018年4月17日
この自衛官本人は即刻懲戒免職、直接の監督責任を負う統合幕僚長は更迭されなければならない。防衛大臣も辞任すべきだ。
これが甘い処分で済まされるようなら、旧軍部同様に自衛隊が政治に介入してくることを許す結果になる。その行き着く先は軍部独裁による国家の破滅だ。
一応念のため言っておくが、この事件が許されないのは、罵倒されたのが野党の議員だからではない。仮に相手が「歩く国難」安倍晋三であったとしても、このような行為は絶対に許されない。
「国民の敵」発言は自衛隊法の問題だけじゃないよね。手放しに喜んでる人は、かつて日本国民を苦しめたのはどんな奴らだったのか歴史を勉強した方がいい。
— 佐藤洋介 (@cmoon_a1) 2018年4月17日
先に言っておくがコミンテルンではないからな。
ネトウヨはこの自衛官を擁護しているようだが、彼らがやっているのは、五・一五事件の際、青年将校たちの助命嘆願運動を行った大衆と同種の愚行である。この事件での軽い判決が次には二・二六事件を引き起こし、破滅的戦争への、引き返せない道に踏み込む結果となった。
歴史から学ばない者たちは、本当に愚かだ。
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