今日TLに流れてきた、群馬県伊勢崎市議会議員の伊藤純子という人のツイートなのだが、これはひどい。
現代日本で、小学校に通えない児童などいません。たとえ「貧困」と言われる家庭であれ、学校に通えない児童など存在しません。万一、就学実態が確認できなければ、話題になり、ニュース報道されます。この映画は諸外国に誤ったメッセージを発信しているようなもの。日本はそんな悪い国ではありません。
— 伊勢崎市議会議員 伊藤純子 (@110junkoito) 2019年1月22日
是枝裕和監督の映画『万引き家族』が、米アカデミー賞候補になるなど海外でも高く評価されているのが気に入らず、こんな日本を貶めるような映画と現実は違う、と言いたいらしいのだが、この発言はいろんな意味でダメ過ぎる。
まず、日本にだって、小学校に通えないような境遇の子どもたちは存在する。
驚きました。わたしは奈良少年刑務所で受刑者に教室を持っていましたが「小学校に行かなかった」子が何人もいました。「宿題」という言葉を知らない、「ぞうさん」の歌も聞いたこともない子が、追い詰められ、犯罪を犯しているのです。貧困と未就学は「ない」のではなく「見えない」だけ。だから問題。 https://t.co/3bHHEQMdVq
— 寮美千子 (@ryomichico) 2019年1月24日
まさかこの日本に「現代日本で、小学校に通えない児童などいません」って断言してしまう議員が存在するなんて思ってもみんかったわ。戸籍すらない子たちを把握するために役所職員が日夜奮闘してることも知らんのか。ともあれ議員失格やから今すぐ辞職してくれ。 https://t.co/9Om6WzrTs4
— 國本依伸 (@yorinobu2) 2019年1月23日
貧困っていうのはさ、いろんなところに影響与えるんだよ 家で副業してる親に手伝えって言われて、学校行きたいって言ったら殴られたとかさ
— CYPHER (@hanenohaetashra) 2019年1月24日
父母2人だけにしたら、父が母を殺すと思って怖くて学校行けないとかさ
親が夜中や朝帰ってくるから睡眠リズム狂って学校行けないとかさ
学校に持っていくもの
洗濯できてないし、準備できてないから行けないとかさ
— CYPHER (@hanenohaetashra) 2019年1月24日
貧困がもたらすいろんな影響が子供を学校に行かせなくしてたりすんだよ
そんなのもわからなくてよくもまーこんなことをシャーシャーと
馬鹿ばっかだなほんと
伊藤純子議員、僕の同級生だったはずの女の子は一度も学校に通わせてもらえませんでしたが、母親が餓死するまで何の話題にもなりませんでした。伊勢崎市同居女性餓死事件、僕と貴方の地元の話です。もう覚えていらっしゃらないですか? https://t.co/2waej2B7n9
— 小松菜の炒めもの (@shikk06) 2019年1月24日
次に、こんなことをいちいち断らなければならないのも情けないが、『万引き家族』は、「日本はこんなに貧しい、悪い国です」とアピールしている映画ではない。
「現代日本で、小学校に通えない児童などいません」発言の市議、映画「万引き家族」が「日本」のイメージを損なっているというイチャモンだったようだけど、どんな表現も「日本のこと」ではなく「普遍的なこと」をいかに表現するかを日々努力してるってわからないのだろうな。
— 大塚八坂堂・大政翼賛会のメディアミックス・発売中 (@MiraiMangaLabo) 2019年1月25日
当然本人のところにも批判が殺到しているのだろうが、すると今度は、実態ではなく制度の話をしているのだ、とゴールポストを動かし始めた。
日本にはさまざまな制度が確立されており、その制度を活用すれば、どんな境遇でも学校に通うことができる、制度上の話をしたつもりでした。手続きをしない、制度自体を知らない家庭があることを意識して、民生委員は地域を見守っています。日本には、地域で支え合う社会が整っていると確信しています。
— 伊勢崎市議会議員 伊藤純子 (@110junkoito) 2019年1月24日
あなた、上のツイートではそんな話はしていなかったでしょうに。
本人のプロフィールを見ると、「「正論」路線を踏襲する真正保守」なのだという。「真正保守」などと自称する人物のほとんどがそうであるように、この人も言動はそのへんのネトウヨと大差ない。
自治体レベルから国レベルまで、こんな議員や首長ばかりが多すぎる。
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