■ 安倍の与太話に合わせてまた資料を捏造するのか?
毎日のようにこういうバカげた話が流れてくるのでうんざりなのだが、皆が呆れ果ててもう何も言わない、という状況を作ることこそが安倍政権の狙いなのだろう。
衆議院予算委員会では、憲法9条に自衛隊を明記する必要性をめぐり、安倍首相と野党議員が激論を交わした。
立憲民主党・本多平直衆院議員「(安倍首相が)下関の講演で、『お父さん憲法違反なの』と言われて、自衛官の息子さんが涙を浮かべていたという話をしているが、これは実話なのか」
安倍首相「実話であります」、「防衛省から聞いた話であります」
本多衆院議員「わたしの実感と違うんですよ。わたしは、小学校中学校とずっと自衛隊の駐屯地のそばで育ち、たくさん自衛官の息子さんがいて、こんな話が出たことがないんですよ」
安倍首相「本多議員は、わたしの言ったことはうそだと言っているんでしょ。それは非常に無礼な話ですよ。うそだって言ってるんでしょ、あなたは」、「本当だったらどうするんですか、これ」
本多衆院議員「いつどこで聞いたんですかって聞いてるんですよ。例え話なのか実話なのかと聞いただけじゃないですか」
安倍首相「こういう話をですね、わたしがうそ言うわけないじゃないですか」
どうやらこの話、織田邦男という元航空自衛隊幹部(67歳)が、昔自分の息子(小学生)からそう言われたことがある、という話を何かに書いたのを安倍が読んで、さっそく改憲ネタに使い始めたらしい。
息子さんから「お父さん憲法違反なの」と言われた、という話、現時点で分かってるのをまとめました。
— ⓢⓐⓘⓣⓞ (@kentaro_s1980) 2019年2月15日
安倍晋三くんは、織田邦男さんの話によれば織田さんの話(動画あり)を引用してるようです(あくまでも現時点での情報)が、数十年前の話。いずれにしても伝聞のいい加減さがわかります。 pic.twitter.com/tzNuoqDiaB
織田邦男:私も、息子が小学校でね、帰ってきて「お父さん、自衛隊って違憲なの?」って言われてショックを受けて、それをあるところに書いたら、それを最近安倍さんがそのフレーズを使うようになっちゃった(笑)
安倍は、いつどこでこの話を読んだのかなどとっくに忘れていて、信憑性を装うために「防衛省から聞いた」「資料を出す」などと口走ってしまったのだろう。いまごろ防衛省では必死でその「資料」を捏造しているのではないか。
これ、安倍首相は防衛省幹部から聞いたと言ってるんですよね。
— 長明 (@chyoumei01) 2019年2月14日
で、現実問題として、防衛省幹部が資料を提示しながら「お父さん、憲法違反なの?」っていう話がありまして、というレクをする筈無いですよね。(雑談ならあり得るが)
と言うことは、資料はこれから作る(=捏造する)しか無いですよね。 https://t.co/xY5NAZvW8Q
■ そもそもこんな話が改憲の根拠になるなどあり得ない
だいたい、何十年か前に、ある自衛官が息子から「自衛隊は違憲なの?」と聞かれてショックを受けた、というだけの話が、改憲すべき理由になどなるはずがない。
安倍晋三が云う「違憲だと謂れ泣く自衛官の子」の話、事実かどうかという話になれば幾らでもでっち上げられるだろうし、そもそも事実か否かはどうでも良い。それを改憲の理由に出来ると思っている事がヤバいのである。
— きのとよしづき@12/29(土)東B26a (@kino8oj) 2019年2月14日
現憲法で自衛隊が合憲であるなら改憲は不要であるし、違憲であるなら憲法に沿う法制や運用に改めるべきなのであって、違憲だから憲法の方を変える、というのはまずおかしいし、しかもそれを合憲という立場にある政府の長且つ憲法を守る義務を負う議員である安倍晋三が云うのは単なる矛盾でしかない。
— きのとよしづき@12/29(土)東B26a (@kino8oj) 2019年2月14日
更に、その矛盾を糊塗する為に情緒に訴えるとすればそれは彼自身の私情に基づく大衆扇動であって、そのような人が総理の座にあって且つ改憲を叫ぶ(これもまたその立場からはあってはならない事だ)のは、甚だあつてはならない事だ。
— きのとよしづき@12/29(土)東B26a (@kino8oj) 2019年2月14日
この話で一番やばいのは、こんなネタで社会を分断しようとする大衆煽動者が権力を握っているという事実そのものだ。
つまり彼の情緒的発言は「違憲だ」という考えを「敵」にすることで自己の正当化を図り、社会に分断をももたらすポピュリズムである。議論の場である議場にこのような言を弄する輩を置いておくべきではない。
— きのとよしづき@12/29(土)東B26a (@kino8oj) 2019年2月14日
■ 自衛官の家族を最も泣かせているのは安倍晋三
安倍は、自衛官の家族を泣かせるような違憲論は悪だと言いたいらしい。だがそれなら、自衛官の家族を最も泣かせているのは、自衛隊を日本の安全保障などとは何の関係もない危険な紛争地域に送り込んで海外派遣の既成事実を積み上げようとしている安倍晋三自身だろう。それも、将来自衛隊を米軍の下請けとして実戦に参加させるためにだ。
施設9カ所に被弾、弾頭25発確認――。南スーダンの陸自PKO部隊が危険にさらされていました。睡眠不安や音への恐怖など隊員の精神面への影響も明らかになりました。https://t.co/jtjj7Qj55l pic.twitter.com/YnHf2ZvwtS
— 朝日新聞(asahi shimbun) (@asahi) 2018年9月2日
NHKスクープ。南スーダンPKO、自衛隊宿泊施設が直接被弾していたことを防衛省・政府は隠蔽して派遣継続。孤立しPTSD訴える隊員も。専門家「現地の状態を国内に伝え、派遣継続か帰国か、討議すべきだった」。 pic.twitter.com/LtdHVsjqc7
— 加藤郁美 (@katoikumi) 2018年5月25日
自衛隊の最高指揮権をもつ安倍総理が同組織に対してなぜできる事をやってこなかったのか?の答えは単純にやる気がないから。
— 星川 真夜(しんや) (@asitafukukazen1) 2018年9月3日
自衛隊を真に思うのならば、嘘で塗り固めて南スーダンに派兵駐屯させるはずがない。
結局兵は国のための捨て駒としか考えていないのは、彼の国民に対する自己責任論に通底。
この男に改憲など許せば、いずれ必ず多数の自衛隊員が戦死し、その遺体を前に家族が泣き崩れる日が来るだろう。
備考:南スーダンに自衛隊を派遣したのは民主党政権だ、とか言う人が出てきそうなので付言しておくと、2013年の内戦勃発後も自衛隊を撤退させず、何度も派遣期間を延長して隊員を危険に晒し続け、しかもその状況を記録した日報の存在を隠蔽して危険はなかったと嘘をついたのは安倍政権である。
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