4日の東京新聞朝刊「読者部だより」コーナーに、こんな記事が載っていた。
関東大震災時の朝鮮人虐殺について、「多数の朝鮮半島出身者が殺害されたとされる」と記述した記事の誤りを認め、「とされる」は削除するという内容だ。
ちなみに、ここで訂正されている3月26日掲載の語句説明は以下のようなものだった。
東京新聞のこの訂正は、小さな一歩ではあるが、明白な歴史的事実を疑義があるかのようにぼかして表現する国内マスコミの悪癖からの脱却を図るものとして評価したい。少なくとも、一向に軌道修正の動きを見せない朝日新聞などよりはるかにましだ。
とはいえ、上記の内容から「とされる」を削除しただけでは、「多数」が数十人でも数百人でもなく数千人規模だったことも、官憲が自ら「流言」の流布に関与したことも、軍隊・警察・民間人のすべてが加害者となったことも示されておらず、説明は極めて不十分なままだ。
また、もちろん朝鮮人虐殺についての記述だけ訂正すれば済む話ではなく、南京大虐殺、日本軍性奴隷(いわゆる「従軍慰安婦」)問題、731部隊、三光作戦など、あらゆる「不都合な」歴史的事実についての記述を真っ当なものにしなければならない。
現代の平均的日本人の歴史認識を壊滅的にダメなものにしている主な責任は、なんと言っても教育とマスコミにある。全マスコミの猛省が必要だ。

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