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首里城焼失という衝撃

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今朝起きてテレビをつけたら、首里城が火災でほぼ全焼というニュースが流れていて、言葉を失った。

画像出典:BBC

首里城は数百年に渡って琉球王国の政治と文化の中心だった建物だ。また、「城」と言っても、首里城は日本の城などとは違って軍事的性格は極めて薄く、城塞ではなくあくまで「宮殿」であり「王府」だった。それは、軍事力による威嚇や侵略などではなく、中国・朝鮮・東南アジア諸国との平和的な交易によって繁栄した、沖縄の黄金時代の象徴でもあったと言える。

しかも、琉球王国以来のオリジナルの首里城は、沖縄が本土決戦までの時間稼ぎのために捨て石とされた沖縄戦の際、よりによって沖縄守備軍がその地下を司令部壕としたために、徹底的な砲爆撃で跡形もなく破壊されてしまった。

沖縄戦で破壊された首里城(画像出典:琉球新報

今回焼けた首里城は、沖縄戦で資料も何もかもが失われた中で、苦労に苦労を重ねてかつての姿を探り出し、復元したものだ。だから首里城は、沖縄戦で破壊しつくされた荒廃からの、戦後沖縄の復興の象徴でもある。

それだけに、そんな民族的アイデンティティのシンボルを一夜にして失った沖縄の人々の哀しみと喪失感は想像に余りある。今回の火災で死傷者がいなかったことがせめてもの幸いであり、いまは、ただお悔やみを申し上げるしかない。

それにしても、このような悲劇にかこつけて沖縄の人々をバカにしてはしゃいだり、朝鮮人や中国人の放火だなどとデマを振りまくネトウヨ日本人とはいったい何なのか。

どんな環境で育てばこれほどゲスな人間ができあがるのか。「親の顔が見てみたい」というのは、こういう連中のためにある言葉だろう。


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