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コロナウイルス対策で中国人入店禁止が許されるなら当然これも問題ないよね?

新型コロナウイルス肺炎の感染拡大に伴い、中国人への露骨な差別が横行している。

札幌市の某ラーメン店は「中国人観光客の入店禁止」を宣言。

店主のブログでは「差別ではなく区別だ」「お客様と従業員の健康と安全を守る為」などと弁解を書き連ねているが、同じブログで以前からこんなことを書いているのだから中国人への差別感情からの行為であることはバレバレだ。

だいたい、そんなに客や従業員の健康が心配なら、流行が収束するまで閉店すればいいではないか。いやそれ以前に、中国人が嫌いだというこの店主は、ラーメンという料理がどこから伝来したと思っているのか。「日本人が嫌いなカリフォルニアの寿司屋」みたいな滑稽さだ。

また、この店主は弁解記事の中でこんなことも書いているが、

武漢からの帰国者などで日本人感染者も増えてきました。

日本人の感染者は入店させるのですか?

などのご意見もありますが、

普通に考えれば感染中は来店されないですよね。

今回のコロナウイルスは症状がない保菌者からでも感染するのが特徴なのだから、感染の自覚がなければ普通に来店するだろう。感染の自覚があれば日本人は店に来ないが中国人なら平気で来ると考えている時点で差別そのものだ。(*正確には「無症状病原体保有者」と呼ぶとのこと。)

ちなみに、弁解記事に書かれているような差別正当化の理屈は、要約すると次のようになる。

  • 今回のコロナウイルスは中国で発生し、感染者も中国人が一番多い。
  • 従って、中国人が感染している確率は日本人や他の外国人より高い。
  • だから、感染確率の高い中国人の来店を拒否するのは正当な自己防衛策だ。

発生源が中国といっても広い中国には感染者のいない地域などいくらでもあるし、ウイルスは相手の国籍を見て感染するのではないのだから任意の一人が感染している確率は中国人でも中国から来た日本人や欧米人でも同じだし、既に日本国内にウイルスが入り込んでいる以上、いまさら相手の国籍など問題にしても無意味だし・・・といったことをいくら説明しても「普通の日本人」には理解できないだろうから、ひとつたとえ話をしよう。

上とまったく同じロジックで、こうも言うことができる。

  • 日本では異常に痴漢が多い。(これは事実で、既に「Chikan」が英語として通用するくらい世界に知れ渡っている。)
  • 従って、ある一人の日本人男が痴漢である確率は他国籍の男よりはるかに高い。
  • だから、痴漢確率の高い日本人の男が電車やバスに乗るのを拒否するのは犯罪防止のための正当な自己防衛策だ。

例のヘイトラーメン店主や中国人入店禁止を支持する日本の男たちは、外国で日本人男が一律に乗車を拒否されても、当然のこととして受け入れるよね?

なお、このラーメン屋の差別行為については、「kinchan」さんがきっちりと批判されているので、こちらもぜひお読みください。

dattarakinchan.hatenablog.com