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【映画】エクス・マキナ ― まあ、「強いAI」が実現したらこうなるよね、というお話

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スタッフ・キャストなど

 監督・脚本:アレックス・ガーランド

 ケイレブ:ドーナル・グリーソン

 エヴァ:アリシア・ヴィカンダー

 ネイサン:オスカー・アイザック

 キョウコ:ソノヤ・ミズノ

あらすじ

世界最大の検索サービス企業ブルーブック社でプログラマーとして働く青年ケイレブは、めったに姿を見せない社長のネイサンが、自身が所有する豪華な別荘に社員の一人を抽選で一週間招待してくれる、というイベントで当選する。

しかし、週に一度やってくるヘリコプターしか交通手段がなく携帯の電波も届かない、広大な大自然に囲まれた別荘にケイレブが着いてみると、出迎えたネイサンは、実はこれは単なる休暇ではなく、彼が秘密裏に開発した世界初の汎用型AIをテストすることが目的なのだと言い、ケイレブに協力を依頼する。ここは別荘ではなくネイサンの個人的研究施設で、ケイレブも偶然くじに当たったわけではなく最初からこの役割に最適の人間としてネイサンから選ばれていたのだった。

こうしてケイレブは、ネイサンが開発したAIを搭載した女性型ロボット「エヴァ」が、はたして真に人間と区別できない知性を備えた存在かどうかを試すチューリング・テストを行うことになる。

もっとも、「チューリング・テスト」という言葉が使われてはいるが、本来の意味でのチューリング・テストは、人間の審査員が、互いに相手が見えない状態で一人の人間と一台の機械との間でテキストメッセージによる会話をし、審査員がどちらが人間なのかを判別できなければその機械は人間並みの知能を備えていると判断するというものなので、この映画でケイレブが行うテストとは違っている。

エヴァは、顔だけは人間そっくりだが、それ以外はプラスチックとカーボンファイバーや金属で作られた内部構造が丸見えで、ロボットであることはひと目見ればわかる。だからケイレブは、エヴァがロボットであることを目の当たりにしながら、それでも彼女が人間だと認めざるを得なくなるかどうかをテストすることになる。(劇中でネイサンがそういう趣旨のことを言っている。)

画像出典:映画.com

青年と美しいAIロボットの恋愛物語・・・ではありません

こうしてケイレブは、自身とネイサン、エヴァ、英語を解さないハウスメイドのキョウコしかいない閉ざされた研究施設の中で、ガラス越しに対話しながらエヴァの「人間性」をテストしていくことになる。

しかし、対話を重ねるごとにケイレブはエヴァに惹かれていき、またネイサンのエヴァに対する粗暴な扱いや、テストが終わったらエヴァは次の改良型を生み出すための材料にされ廃棄されてしまうのではないかという恐れから、エヴァを連れて施設から逃げ出すことを計画する。

まるで、美しい娘と恋に落ちた若者が、横暴な父親の下から彼女を連れて逃げるという古典的な物語 ーー 例えば出雲神話のオオクニヌシとスサノオ、スセリビメの説話のような ーー に見えるのだが、これはそういうお話ではない。

当然だが、人工知能に性別などない。エヴァが女性のようにしか思えないのは人間の女性そっくりに振る舞うための知識を備えているからに過ぎず、それは見かけだけのものだ。

そのようなAIロボットが、人間と同様に自意識と身体を持ち、経験から感情を紡ぎ出し、外界に対して自身の願望に基づいて働きかけることが可能になったら何が起こるか。この映画は、そのある意味必然的な結末を示している。

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