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橋本琴絵がヘイトを吐きまくっているネアンデルタール人が芸術作品(洞窟壁画)を描いていたことが判明

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先月、こちらの記事↓で、希望の党幹事だという橋本琴絵なる人物が「ネアンデルタール人」を対象にヘイトを吐きまくっていることに注意を促した。

橋本には「極悪非道」「共感能力がない」「悪魔の種族」と罵倒されているネアンデルタール人だが、最近の研究により、彼らこそが洞窟壁画という、人類最初の芸術表現を発明した人々だったらしいことが分かってきた。

米科学誌「サイエンス」電子版掲載論文[1]の冒頭部分を翻訳してみると、以下のようになる。

炭酸塩皮膜のU-Th年代測定が、イベリアにおける洞窟芸術のネアンデルタール起源を明らかにする

 

[ネアンデルタールの洞窟芸術]

現代人だけでなく、ネアンデルタール人も洞窟絵画を描いているかもしれないと示唆されてきた。Hoffmannらは、炭酸塩被膜のウラン-トリウム年代測定により、スペインの三つの異なる場所の洞窟絵画が6万4千年以上の古さであることを示した。これらは世界最古の洞窟絵画である。重要なのは、これらの絵画の年代が、現代人がヨーロッパに到着するより少なくとも2万年以上古いことで、これはこれらの絵画がネアンデルタール起源に違いないことを示唆している。これらの洞窟芸術は、主に赤と黒で描かれ、様々な動物、線状の印、幾何図形、手の輪廓、手形などを含んでいる。従って、ネアンデルタール人はこれまで想定されてきたよりはるかに豊かな象徴的行為を行っていたことになる。

Science, 本号 p.912

 

[要旨]

ネアンデルタール人の間での象徴的行為の程度と性質ははっきりしない。ネアンデルタール人による身体装飾の証拠は示されているものの、すべての洞窟絵画は現代人によるものとされてきた。本論文では、スペインの三つの場所での年代測定結果により、イベリアにおける洞窟芸術が従来考えられていたよりかなり早く出現したことを示す。絵を覆っている炭酸塩被膜のウラン-トリウム(U-Th)年代測定により、ラ・パシエガ(カンタブリア州)の赤い線状のモチーフ、マルトラヴィエソ(エストレマドゥーラ州)の手の輪廓、およびアルダレス(アンダルシア州)の赤く塗られた堆積物の最小年齢が明らかになった。これらの結果は集合的に、イベリアの洞窟芸術が6万4800年より古いことを示している。この洞窟芸術はこれまでのところ最古のものであり、ヨーロッパに現代人が到着するより少なくとも2万年古く、その作者がネアンデルタール人であることを暗示している。

下は年代測定の対象となったラ・パシエガ洞窟の壁画。赤いはしごのような形状と、写真でははっきりしないが牛のような動物が描かれている。(画像出典:サイエンス誌)


橋本のヘイト言説とは逆に、ネアンデルタール人たちが現生人類とほとんど変わらない知性や豊かな感情を持っていたことを示す証拠が、次々と見つかっているわけだ。

ちなみに、この発見を受けて橋本が何か言っているかと思って見てみたところ、こんなことをつぶやいていた。


何の根拠もない、ただの願望である。だいたい、仮にアフリカにいた現生人類がたまたまヨーロッパに旅行!?してこの絵を描いたのなら、本拠地であるアフリカではこれ以上に古い壁画が大量に見つかっていなければならないはずだが、実際にはアフリカで発見された壁画の年代は最古のものでも約2万7千年前程度だ[2]。

いつものことながら、ヘイターの主張する「事実」は常に間違っている。

[1] D.L.Hoffmann, et al. “U-Th dating of carbonate crusts reveals Neandertal origin of Iberian cave art” Science, 23 Feb 2018
[2] “Apollo 11 Cave, Namibia”  Wikipedia (English)

 

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