原発
真山仁の小説に『ベイジン』というのがある。(注:「ベイジン」は「北京」の中国語読み) この小説は、まず週刊東洋経済に連載され、2008年に単行本が発売された。私はこれを連載時に読んでいた。 主人公は日本人原発技術者の「田嶋」。彼は、中国が北京オ…
いま東京新聞で、写真家豊田直巳氏が原発事故後の福島を取材した記録「ふくしまの10年・行ける所までとにかく行こう」が連載されている。 3月13日、豊田氏らは無人となった双葉厚生病院を訪れているが、恐ろしいことに、ここでは毎時1,000 μSvまで計測で…
この映画は未見だが、実際に見に行った人たちの感想を読むと、相当にひどいらしい。 最大の問題は、この映画が事故対応の経緯に関する事実を大きく歪めていることだ。 gendai.ismedia.jp 地震は3月11日午後に起き、その日の夕方から、福島第一原発は危険な…
つい先ほどTLに流れてきたツイート すばらしいな、「渦励振」現象か。日本も原発を廃止して背水の陣を敷いて再生可能エネルギーの開発に全力を挙げていたら、こうした技術をものにできていただろうにね。常識を疑え! スペイン生まれの羽根のない風力発電機…
消費税率引き上げ → 延期または中止 消費税はそもそも、貧しい者ほど負担が重く、富裕層ほど軽くなる、所得再配分に逆行する悪税である。その上、増税分を価格転嫁できない弱い立場の下請け企業を苦しめる下請けイジメ促進税でもある。 国税の中で一番多く年…
関連記事:それは違うよ梅原さん 梅原猛氏が、東京新聞の連載コラムで話題のドラマ「半沢直樹」を取り上げていた。 東京新聞(9/30)「思うままに」 梅原猛: ドラマ「半沢直樹」 資本主義のモラル 入社五年目でサラリーマン生活が板についた孫の一人がとき…
取るに足りない、どうでもいいことのように感じていたのだが、どうもそうではないらしい。 小泉純一郎元首相の「脱原発」発言、発言それ自体というより、発言に対する人々の反応のほうである。 まずは、小泉がどういう場面で何を言ったのか、それを見てみよ…
関西電力、九州電力と、電気料金の値上げ申請が相次いでいる。 値上げの理由について、電力会社は原発停止により火力の燃料費がかさんでいるためだと言い、マスコミは例によって何の検証もなくその言い分をそのまま垂れ流している。それどころか、原発の再…
締め切りは今日の18時。あと数時間です。でも大丈夫。こちらのページに分かりやすい解説があるので、すぐ出せます。私もとりあえずこんな内容で出しました。 ご意見の概要(100字以内) ①ゼロシナリオを選択します。この三つしか選択肢が与えられないので…
関連記事:一枚の恐ろしいグラフ 名古屋で開催されたエネルギー・環境政策に関する意見聴取会で、中部電力の現役社員が、「福一事故で亡くなった人は一人もいない」旨の意見を述べた。 中国新聞(7/17): 名古屋では中部電社員が推進発言 政府聴取会また怒声 …
東京新聞への読者投稿がとても正論で痛快だったのでメモ。まず、埼玉県の60代男性の投稿(4/18)。 国民守れぬ政府は不要 漁師が魚を捕ってきた。しかし放射線量が基準値を超えていた。漁師や漁協は風評被害を避けたいと、自主規制をしてその魚を捨てた。彼…
それにしても環境省はとんでもないことをやってくれる。 放射性物質汚染対処特措法施行規則を改正して、放射能汚染された警戒区域・計画的避難区域から出る事業系廃棄物を、単なる事業系一般廃棄物または産業廃棄物扱いにしてしまおう、というのだ。 そんな…
「福島原発事故独立検証委員会」(民間事故調)の報告書発表を受けて、マスコミでは菅前首相の事故対応を批判する報道が相次いだ。 これに対して、3月8日の東京新聞に載った、70歳男性からの投稿。 菅前首相の対応を評価 民間の原発事故調査委員会が公表した…
本書は、島薗進氏(東京大学大学院人文社会系)が、放射線の人体への影響について学ぶための書籍として強く推薦している。 実際、島薗氏がTwitterで一部紹介している内容を見れば、その重要性がよく分かる。 @Shimazono 島薗進さんによる 中川保雄『放射線…
毎日新聞の調査により、安井正也という経産官僚が、使用済み核燃料の再処理を行わずに「直接処分」をしたほうが費用は3分の1以下で済むことを示した試算データを隠蔽していたことが明らかになった。 毎日新聞(1/1): 核燃サイクル:直接処分コスト隠蔽 …
8年前、『チェルノブイリの祈り』の著者、スベトラーナ・アレクシエーヴィチさんのインタビューを、「ふぇみん」(2003年11月15日号)で読んだ。その中で、特に記憶に引っかかっていたのが、次の一節だ。 汚染地域から疎開させられた人々の心の傷になったの…
3月末以来、ずっと気にかかっていることがある。 福島第一原発から約5キロの福島県大熊町で見つかった遺体から、二次被曝を恐れて収容を断念せざるを得ないほどの高い放射線量が検出されたという話だ。 共同通信(3/31): 20キロ圏に数百〜千の遺体か …
(前記事から続き)では、井野名誉教授の批判に対して、「鋼材の組成に不均質な部分があったとしても、脆性遷移温度の急上昇の主な要因とは断定できない」「玄海1号機の脆性遷移温度上昇についての当社の見解は既にホームページで公表しており、井野名誉教…
玄海原発1号機の脆性遷移温度が異常に上昇し、危険な状態にあることについては、ここでも既に取り上げてきた。 危険過ぎる玄海原発1号機 (7/3) 玄海1号機の脆性遷移温度に関する九電の言い分 (7/4) この1号機の現状について、井野博満東大名誉教授が再…
経産省が、東京電力の会計規則の「改正」を画策していて、いまひっそりと、わかりにくくパブコメを募集している。 この改正案の中身は、原発事故の賠償負担を自動的に電気料金に転嫁できるようにする、というものだ。 冗談じゃない。 やるべき仕事に関して…
『マスコミ市民』9月号の編集後記から抜粋: 経団連の米倉会長が「原発の新設もありうる」「国破れてソーラーあり」と言って脱原発を批判したのを、欲の皮が突っ張った老人の単なる寝言だと聞き流していたが、実は日本の経営者の多くが同様の考えであるこ…
これは、読んでいて思わず目を疑ってしまった。 毎日新聞(8/17): 福島第1原発:東電、水素爆発予測せず ベント手順書なし 東京電力福島第1原発事故で、3月12日に起きた1号機の水素爆発について、政府の「事故調査・検証委員会」(畑村洋太郎委員長…
東京新聞(8/15夕刊)に載っていた平川克美氏の論評が示唆的だったのでメモ。 お金で買った安全神話 平川克美 3.11の原発事故以来、多くの専門家がメディアに登場した。事故はいつ、どのように収束するのか。原子炉のどこが破損していて、どのような対策が…
東京新聞(8/14)掲載のコラムで、山口二郎氏がなかなかいいことを言っているのでメモ。 歴史から学べるか 山口二郎 3.11の傷がいえない状態で、八月十五日を迎えようとしている。この時期になるとNHKで戦争を振り返るドキュメンタリーが放映され、いろ…
脱原発に向けて、いまこの瞬間に最も重要なのは、不正不当な泊原発の再稼働をさせないことです。 再稼働阻止のために、メールやFAXを使ってできるアクションをご紹介します。 「東海三県(愛知・岐阜・三重)反核・脱原発関連イベント」HPより: 泊原発3号…
孫崎享氏のツイッターから。 magosaki_ukeru 孫崎 享 原発:菅首相の後は原発維持に回帰だろう。事故から何も学べない政治家、世論無視出来るという政治家。10日BLOGOS(文藝春秋9月号野田大臣の構想)「「政府には電力を安定的に供給する体制を作る責任…
8月6日の東京新聞への読者投稿から。 読者投稿といっても、今回の投稿者は『憲兵だった父の残したもの』『永い影』などの著作のある、作家の倉橋綾子さんだ。 戦時中、中国東北部(旧満州)で憲兵をしていた父親が残した、「中国人民に対しなしたる行為は…
前回のご紹介は64歳の方だったが、今度は一気に14歳。( *´艸`)クスクス いや、冗談抜きに、この藤波心ちゃんの発言は凄すぎる。 14歳にしてこれだけ堂々と意見を主張できるというだけでも凄いのに、バカで意地悪な大人たちに絡まれても、へこんだりキレたりせず…
今日の東京新聞への読者投稿。 都内在住、64歳の男性によるものだが、事の本質を突いた実に見事な論説だ。 そういえば朝日新聞に関して、「一番良いのは読者」という指摘があったが、読者が一番なのは東京新聞も同じかもしれない。 東電の責任追求せよ 子ど…
雁屋哲氏のブログが、名前を変えて近々再開するとのこと。 3.11福島核惨事の後、膨大な量の罵倒中傷を浴びせられて休止に追い込まれて以来、およそ4か月ぶりの再開ということになる。 私は『美味しんぼ』での食に関する彼の主張には必ずしも賛成しないが、…