マンガ・アニメ
広島市の教育委員会が平和学習教材から『はだしのゲン』を削除してしまった事件に関して、右派「論客」の池田信夫がこんなことを書いている。 おもしろいのは、これだけ原爆の悲惨さを描いているのに、それを落とした国の責任をまったく問わないこと。目的は…
よりによって被爆地広島市の教育委員会が、『はだしのゲン』を来年度から使う平和学習教材から排除してしまった。 なぜなのか? 市教委の言い分によると、次のような理由だという。 東京新聞(2/18): 「はだしのゲン」は小学校3年生向けの教材に掲載。家計…
以前にも一度取り上げたが、小林よしのりの『戦争論』に、中国帰りの元兵隊で、戦争は「まるで海外旅行に行ってきたみたいだった」と、楽しげに語る親戚が出てくる。 戦闘で多少の怖い思いはしたものの、あとは毎日うまいものを食って楽しく暮らしていたとい…
『爆笑 陸軍二等兵物語』という、戦争体験者自身が描いた漫画がある。 作者の塚原平二郎氏は1920年生まれなので敗戦時点で25歳、陸軍に徴兵されて中国各地やベトナムを転戦している。漫画自体は創作だが、塚原氏自身の体験や兵隊仲間からの見聞をもとに描か…
永井豪のマンガ版『デビルマン』には残虐シーンが山のように出てくるが、中でも極めつけのトラウマシーンと言えるのが、「デーモン狩り」の暴徒が牧村家に押し寄せ、不動明の恋人美樹やその弟タレちゃんを惨殺するシーンだろう。 【閲覧注意→】画像1 画像2…
『鬼滅の刃』における究極の敵、鬼の始祖である「鬼舞辻無惨」には、果たしてモデルとなった人物がいるのか。いるとしたらそれは誰なのか。 本来作者でなければ答えられない質問だが、こういうメガヒット作の常で、いろんな人が推測でいろんなことを言ってい…
『鬼滅の刃』では、鬼殺隊の剣士たちがさまざまな技を繰り出して鬼の首を斬っている。鬼を殺すには、日光に晒すか、太陽の力が宿る特別な日本刀である「日輪刀」で首を斬り落とすしかない、という設定だからだ。 この作品で描かれた戦いの様相が、日中戦争で…
『この世界の片隅に』に続いて、完全に「国民的マンガ・アニメ」の地位を確立したと言える『鬼滅の刃』。 しかしこの作品も、ナショナリズムを煽っているとまでは言えないまでも、その設定・構成にはかなり危ういものを感じさせる。 読んでみてまず最初に引…
『この世界の片隅に』で太極旗シーン以上に問題なのが、憲兵が出てくるエピソードだ。この話は以前にも一度取り上げているので内容が一部重複するが、改めて問題点を整理してみることにする。なお、このエピソードに関しては原作マンガとアニメ版に大きな違…
アニメ版ではなく原作マンガについての話なのだが、植松青児氏が『この世界の片隅に』を、日本の戦争を加害と被害が錯綜した物語として「語り直す」作品として評価していた。 ヒロシマ・ナガサキをはじめ、戦後日本で「戦争」を描く場合、その被害の悲惨さに…
『この世界の片隅に』でとりわけ違和感を感じるシーンとして、8.15の玉音放送を聞いたあと、すずが翻る太極旗を見てはっと何かを悟り、泣き崩れる場面がある。 こうの史代の原作マンガでは、すずは「暴力で従えとったいう事か」「じゃけえ暴力に屈するいう事…
戦争アニメを見ても責任感のかけらも示さない天皇家の人々 天皇一家(徳仁ナルヒト、雅子、愛子)は18日、前作にシーンを追加してリニューアルしたアニメ『この世界の(さらにいくつもの)片隅に』を鑑賞した。 記事によると、試写会終了後、一家は片渕監督…
先日の「宇宙戦艦ヤマト」批判記事はウヨい人たちの内心の何かをいたく刺激したらしく、異常なほどの数のコメントが押し寄せてきた。 せっかくなので、その中の代表的なものを観察してみることにしよう。 ここは酷いヘイトブログですね。 ヤマトを批判すると…
前回記事で取り上げた『宇宙戦艦ヤマト』はまあ論外として、ガンダムのように作り手側は戦争の理不尽さを描いたつもりの作品でも、結局「かっこよく敵を倒す戦争(・∀・)イイネ!!」みたいな感じに安っぽく消費されてしまうのが日本社会の現実のようだ。 ヤマトな…
最近TLで、80年代からのアニメブームの火付け役となった『機動戦士ガンダム』や『宇宙戦艦ヤマト』について、これらが戦争賛美アニメだったかどうかが話題になっていた。 「宇宙戦艦ヤマト」にしても「機動戦士ガンダム」にしても、どう言い繕おうが戦争賛美…
テレビ朝日のモーニングショーで、お笑いコンビ「ウーマンラッシュアワー」の村本大輔が、テレビの現状は「真実を伝えるための道具ではない」と厳しく批判した。 www.sponichi.co.jp (略)「たとえば、(情報番組で)中国のネガティブなニュースは伝えられ…
もう呆れるしかない。 小林よしのりさんが今週の「SPA!」に描いた古谷経衡さんと私。手に「差別」と書いたカードを持って、なにかを必死に訴えてる。たしかに私は懸命に差別に反対してるけど、それおかしいことかな?小林さんはどうしてそんなに差別に反対する人…
日本アニメ好きの中国人を嘆かせるネトウヨ原作ラノベ 先日流れてきた、日本のアニメが好きだという中国人の方のツイート。この秋TVアニメ化されるラノベ『二度目の人生を異世界で』の内容がひどすぎる、しかも原作者が中韓ヘイト丸出しのネトウヨだと嘆いて…
4月5日、アニメ映画監督の高畑勲氏が亡くなられた。謹んでご冥福をお祈りします。 氏の訃報を受けて日本テレビは急遽予定を変更し、13日の金曜ロードショーで氏の代表作と言える「火垂るの墓」を放送した。 「火垂るの墓」は反戦アニメ映画の不朽の名作と…
荒唐無稽なデマを拡散 三浦の「根拠」はすべてガセネタ 『デビルマン』の悪魔狩り扇動を想起させる手法 マスメディアを使った大衆扇動を許してはならない 荒唐無稽なデマを拡散 2月11日のフジテレビ系「ワイドナショー」での三浦瑠麗発言。まさかと思って録…
前回記事にいくつか気になるコメントを頂いているので、回答を兼ねて補足を書いておくことにする。 画像出典:https://twitter.com/guillotine_the/status/831748289712226304 まず、当時の呉は日本最大の軍港であり、海軍の勢力が強かったため、陸軍と海軍…
遅ればせながら(私はいつも遅ればせなのだが)右から左までどこを向いても絶賛の嵐のアニメ映画『この世界の片隅に』を見た。 全体としての感想はだいたい以下に引用したツイートと同じ。一言で言えば「ロクなもんじゃない」ということ。 「この世界の片隅…
先日の「食人鬼と少女のお話」に関連して、やはり自ら進んで食べられる少女が出て来る「ミノタウロスの皿」が話題になっていた。 ▼藤子F御大の『ミノタウロスの皿』を知ってたら、こんなドヤ顔漫画は描けなかったのではないかと(@∀@)相手の選択の可能性を奪…
■ 食人鬼と少女のお話 先日、twitterで「食人鬼と少女のお話」という創作マンガが話題になっていた。作者(女子高校生だという)のアカウントは非公開になってしまったのでもう見れないのだが、うろ覚えの記憶によると、だいたいこんなお話だった。 飢えて死…
安倍大惨事(第三次)内閣が看板に掲げ、担当大臣まで置いている「一億総活躍」。戦時中の「一億火の玉」「一億特攻」といったスローガンと重なって嫌な思いをしている人も多いだろう。 そもそも、「一億○○」といった上から目線のスローガンは、自国の民衆を…
関連記事: 仲哀→応神も王朝交代 息長帯日売と建内宿禰に謀殺されて血脈を絶たれてしまった可哀想な仲哀天皇。この人、実はヤマトタケル(古事記では倭建命、日本書紀では日本武尊と表記)の息子である。 ヤマトタケルは日本神話最大のヒーローと言ってもい…
教育勅語についての記事を書いていて、ふと某マンガの中のセリフを思い出した。 ネタ元は書かないので、興味のある方は探してみて欲しい。 【A】 どこが違うというのだっ!? わからない!! どう違うというのだ!? 命じられたのと――している事は同じでは…
スタジオジブリが、屋上に「原発ぬきの電気で映画をつくりたい」という横断幕を掲げて、話題を集めている。 Yahoo!ニュース(6/17): スタジオジブリ屋上に横断幕「原発ぬき電気で映画をつくりたい」 オルタナ 6月17日(金)11時7分配信 アカデミー賞作品「…