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安倍改憲(壊憲)案の既成事実化を目論む政治屋たち

柴山昌彦(文部科学相、自民党)

柴山文科相は、自分らがゴリ押しで進めているデタラメな「大学入試改革」に反対して声を上げた学生を、警察を使って強制的に排除した。

それだけでも許し難い暴挙だが、たった一人で、それも肉声で抗議しただけの行為に対して、「大声を出すことは権利として保障されているとは言えない」などと憲法違反の暴言まで吐いている。

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 埼玉県知事選で応援演説に入っていた柴山昌彦文部科学相に対し、大学入試改革への反対を訴えた大学生を警察官が取り囲んで遠ざける騒ぎがあり、ネットなどで話題になっている。27日の会見で柴山氏は「(演説会場で)大声を出すことは権利として保障されているとは言えないのではないか」との見解を示した。(略)

 ネット上では、抗議をしていた男性が警察官たちに囲まれる画像が投稿され、「文科相に抗議の大学生を街頭演説から排除」と批判が出たのに対し、柴山氏はツイッターで「わめき散らす声は鮮明(だった)」などと発信。27日の会見では「表現の自由は最大限保障されなければいけないが、選挙活動の円滑、自由も非常に重要」と述べ、「演説会に集まっておられた方々は候補者や応援弁士の発言をしっかりと聞きたいと思って来られている」と語った。

 抗議をした男子大学生は取材に「入試改革で混乱している受験生の代弁をしたのに、『わめき散らす声』と否定するのはおかしい」と語った。自身の経験から、特に英語の民間試験の活用に懸念を覚え、中止を求めて国会議員に署名を提出する活動に加わったものの、文科省が動かないため、柴山氏に直接訴えたかったという。

これが権利として保障されないなら、政権が何をやらかしても、こそこそと陰でささやくくらいしかできなくなるだろう。あの暗黒時代の再来である。

その上柴山は、現場で声を上げた大学生のtwitterアカウントを自分のツイートで晒した上、「大学入試改革」によって被害を受ける当事者である高校生が抗議を呼びかけると、「業務妨害罪」を持ち出して脅しまでかけている。

これらは単に脅しであるだけでなく、ネトウヨ連中に対して「こいつらを叩け」と暗にほのめかす犬笛でもある。よくもまあここまでヤクザな真似ができるものだ。

こんな男には、大臣はもちろん議員でいる資格もない。即刻辞職すべきだ。

黒岩祐治(神奈川県知事)

同じ頃、黒岩神奈川県知事は、「あいちトリエンナーレ2019」での展示中止問題にかこつけて、「平和の少女像」などの表現は「表現の自由から逸脱している」、自分なら「絶対に開催を認めない」などと言いだした。

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 愛知県で開催中の国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」で中止に追い込まれた企画展「表現の不自由展・その後」について、黒岩祐治知事は27日の定例会見で「(展示内容が)表現の自由から逸脱している。もし同じことが神奈川県であったとしたら、私は開催を認めない」と述べた。

(略)

 会見で黒岩知事は「私もメディア出身。表現の自由は非常に大事だが、何でも許されるわけではない」と指摘。「あれは表現の自由ではなく、極めて明確な政治的メッセージ。県の税金を使って後押しすることになり、県民の理解は得られない。絶対に(開催を)認めない」と強調した。

冗談ではない。芸術作品が政治的メッセージを含むのはごく当たり前のことだし、そもそも政治的メッセージを自由に発信できることこそが「表現の自由」の核心である。本気でこんなことを言っているのなら、神奈川県ではゴヤもピカソも展示できないことになるだろう。

これも即刻辞職すべき事案だし、こんな男が3期も知事を続けているのは、神奈川県民の恥と言うしかない。

柴山にしろ黒岩にしろ、こうした政治屋連中がやっているのは、マスコミのチェック機能が働いていないのをいいことに、安倍自民党改憲案が目指すような自由も人権もない社会を既成事実化しようとする試みだ。

安倍本人はもちろんだが、これらの政治屋はまぎれもなく市民社会に敵対する公敵なのだ。決して許してはならない。

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