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森友問題で値引き根拠とされた「ごみの深さ」が嘘だったことが証明された

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ごみを試掘した業者が「事実と違うことを書かされた」と証言

今や毎日と言ってもいいくらい、安倍政権の嘘が次々とばれていく。今度は毎日新聞によるスクープである。

まず、値引きの根拠となった地中埋設ごみの量について、試掘を行った業者が、報告書に嘘を書かされたと証言していることが判明した。

毎日新聞(3/16)[1]:

 学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却問題で、約8億円の値引きにつながった地中ごみを試掘した業者が、ごみは実際より深くにあると見せかけた虚偽の報告書を作成した、と大阪地検特捜部の調べに証言していることがわかった。学園や財務省近畿財務局側から促された、という趣旨の説明もしているという。値引きの根拠が揺らぐ可能性があり、特捜部は証言について慎重に事実確認を進めている模様だ。
(略)
 学園側は4月11日、建設業者が8カ所を試掘した結果、最深で地下3.8メートルにごみがあったとする写真付きの報告書を提出した。国はその3日後、報告書などを基にごみ撤去費を約8億2000万円と算定。6月20日、土地評価額から同額を引いた1億3400万円で学園に売却した。
 捜査関係者によると、業者は3.8メートルの記載について過大だったと認め、「事実と違うことを書かされた」「書けと言われてしょうがなくやった」などと説明。当時、学園は小学校の開校時期が翌年の4月に迫っているとして、損害賠償をちらつかせて国に対応を迫っていた。

さらに、2016年3月30日に行われた学園側と国による売却交渉を録音した音声データによれば、「名誉校長」安倍昭恵の名前を出して値引きを迫る学園側に対して、ごみが3メートルより下まであることにして値引き額を増やす手法を近畿財務局側からほのめかしている。

毎日新聞(3/16)[2]:

 翌16日、財務省の指示で学園を訪れた近畿財務局の職員は「仮に(ごみが)深く地中にあれば(売買の)評価で反映させていく」と発言。過去の調査で判明していた地下3メートルより深い場所のごみは国に責任があるとの考えを打ち出した
 国の説明では、業者が試掘したのは3月25日と30日の2回。8カ所を掘り、1カ所から地下3.8メートルのごみが見つかったとされる。
 しかし、30日に録音されたとされる音声データで業者は「3メートルより下から出てきたかどうかは分からない」と疑問を口にした。国側の職員も「虚偽にならないように『混在している』と。3メートル超も一定あると。出るじゃないですか、ということ」と発言し、これからごみを探すような口ぶりで応じていた。
(略)
 また、業者が撮影した写真では、掘削した穴に地下3.8メートル地点あたりまでメジャーが差し込まれ、途中にはごみのようなものが写っているが、底の方は泥の塊が大半で、一見してごみと分かるものではなかった。

当初から明白だった撤去費用算出根拠のデタラメ

埋設ごみ撤去費用の算出根拠となった「深さ3.8メートル(くい打ち部は9メートル)」「ごみ混入率47.1%」といった数字が現実にはあり得ないデタラメであることは、既にこの問題が発覚した当初から指摘されていた[3]。

地中障害物撤去工事と土壌改良工事が終わり、いよいよ2015年12月から学校建設工事に入るわけだが、着工して間もない2016年3月に、杭打ち工事で新たな地下埋設物が発見されることになる。
(略)
そして、翌4月には国交省航空局が埋設物撤去費用8億1900万円という見積もりを出し、6月にはこの見積額を鑑定評価額9億5600万円から控除した1億3400万円で、国有地は森友学園に売却されることになる。
この見積もりの前提は、杭打ちが行われる部分は深さ9.9メートルまで、それ以外の部分は深さ3.8メートルまで地下埋蔵物を撤去し、ゴミ混入率は47.1%というものである。こうした前提に基づいてゴミの量を1万9500トンと推計し、見積額を8億1900万円とした。
この見積額の算出プロセスはいかにも官僚らしい筋の通ったものだが、現実の施工という観点からは多くの疑問を感じさせるものでもある。
(略)
まず、「杭打ちが行われる部分は深さ9.9メートルまで地下埋設物を撤去する」というところだ。これに対して籠池泰典(かごいけやすのり)森友学園理事長は、「杭打ちを行う部分のゴミは撤去したが、それ以外は撤去していない」と発言しているが、この発言には大きな疑問を覚える。
この国有地は以前沼や水田だったところで、地質的には含水比の高い粘土層で軟弱地盤である可能性が高い。こうした土地を深さ9.9メートルまで掘削し、ゴミを撤去するためには、鋼矢板(こうやいた)などを打ち込んで土留めをする必要がある。
(略)
しかし、そもそも鋼矢板が打ち込める状況であれば、建物の杭を打つことも難しいことではない。2017年4月の開校ありきで物事を進めてきた森友学園が、資金も工期もかかる埋設物の撤去工事を行った、というのは考え難いことに思える。

もし本当なら「考古学上の大発見」

さらに、「9.9メートルの深さから杭打ち工事に支障をきたす生活ゴミ等が出てきた」という話自体も信じ難いものだ。この国有地はもともと沼や水田であったところであり、その後1970年前後に宅地化されていった土地である。
沼があったということは、もともとこの土地が周囲より低いところにあったということである。また、一般的に水田や畑は道路面よりも1~2メートルほど低いところにあり、住宅は道路面より若干高いところに作られるものである。
つまり、もともと沼や水田であったところを宅地にする際には、3メートルほど土砂で埋め立てる必要があるということ。(略)
森友学園が購入した国有地の深さ3メートルまでのところに地下埋設物やゴミが存在し、3メートルまでの土壌改良工事でヒ素と鉛が取り除けた、という事実から想像されることは、沼や水田であったところを宅地に造成する際に、土砂と一緒にゴミや有害物質が埋められたということである。
また、もし杭打ち時に9.9メートルの深さから大量の生活ゴミが見つかったというのが本当であれば、沼が出来る以前、何千年か何万年前に生活ゴミが埋められたということになる。もしそうだとしたら、何万年前の古代人が靴下や長靴を使っていたことになり、考古学上の大発見になるはずである。
そもそも、杭打ち工事を行う前には、ボーリング調査を実施して地質を確認するものである。その過程で、47.1%もゴミが含まれていたら気が付かない方がおかしい。日本の技術者の目はそこまで節穴ではない。
(略)

「ゴミ混入率47.1%」は国交省の過剰な見積もり?

さらに、中道組が深さ3メートルまでの埋設物の撤去と土壌改良工事を行っているということは、実際にその深度まで掘削をしたということである。もし、ゴミの混入率が国交省の見積もり通り47.1%だとしたら、宅地造成時の盛土の下はゴミの山だったはずである。ゴミの混入率が47.1%というのは、人の目にはゴミの山に映るはずだからである。
埋設物の撤去と土壌改良工事をしている業者が、ゴミの山を確認しながら3メートルまでで作業を止めるというのは考えにくいことだ。また、深さ3メートルまで埋設物の撤去と土壌改良工事を行ってもゴミの山がなかったとしたら、国土交通省のゴミ混入率47.1%という見積もりが過剰なものだったことになる。

このように、値引き額の算出根拠がデタラメだったことは当初から分かっていたが、それが今回当事者である建設業者の証言で裏付けられられたことは大きい。

国有地を首相の関係者にタダ同然で売却するために、国側が相手と共謀して不当な値引きを行ったのだ。日本がマトモな近代国家なら、これ一件だけでも内閣は総辞職、「前首相」は即逮捕されて司法の手に委ねられねばならないはずだ。

[1] 『国有地売却問題 「ごみ報告書は虚偽」 業者証言「書かされた」 大阪地検捜査』 毎日新聞 2018/3/16
[2] 『森友業者証言 まず「値引きありき」 報告3日後に積算』 毎日新聞 2018/3/16
[3] 近藤駿介 『森友学園と国の「危険な共謀」仕組まれたゴミ混入率が意味するものとは?』 MONEY VOICE 2017/3/5

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