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ビンラディン「殺害」報道に思う

それにしてもアメリカというのは野蛮な国だ。

つくづくそう思った。

 

ビンラディンは、大量殺人事件の犯罪容疑者である。

であるならば、逮捕し、公正な裁判にかけて犯罪事実を明らかにした上で処罰しなければならない。

しかしアメリカは、適正手続など一切無視して彼を殺してしまった。

 

朝日新聞(5/2)

 オバマ大統領は声明の冒頭で、ビンラディン容疑者が「数千人の無実の男女や子どもを殺害した責任を負う」とし、「米国の作戦によって死亡したと、米国民と世界に報告する」と語った。ビンラディン容疑者を拘束または殺害することが就任以来の最優先課題だったとし、「アルカイダ打倒の戦いの中で、最も大きな成果」と強調した。

 

「拘束または殺害」というが、ビンラディンの抹殺を第一の目的としていたことは、襲撃のやり方や、これが「最も大きな成果」だという口ぶりからして明らかだろう。

 

朝日新聞(5/2)

 米国によるオサマ・ビンラディン容疑者の殺害は国際法上、認められるのか。戦場での軍事作戦としての殺害だったと考えれば、戦争行為の一環として認められる可能性がある。しかし、国家による個人を狙った「暗殺」と解釈することもでき、米国の行為には疑問の声もある。

 国連の旧ユーゴスラビア戦犯法廷で判事を務めた法政大学の多谷千香子教授は、明らかに問題があるとする。「米国にとって危険人物なら、誰でも殺して良いことになってしまう」

 仮にビンラディン容疑者が拘束されたとしても、人道上の重大犯罪について個人を裁く国際刑事裁判所(ICC)での審理は難しかった。米国が、政治利用の懸念を理由にICC条約に加わっていないためだ。

 米国はキューバグアンタナモ米軍基地に設けた特別軍事法廷で裁く選択肢もあったが、同法廷自体をめぐって政治的に議論が分かれる中、そうした手続きも省略した。国際社会は「9・11」の黒幕から証言を得る機会を永久に失った。

 

犯罪の黒幕を抹殺したところで、問題は何も解決しない。

ましてや、殺ったのは世界中で国家テロを繰り返してきたアメリカだ。

こんなやり方は、恨みをつのらせる結果にしかならない。