昨年12月9日に開かれた辻元清美衆院議員の政治活動20周年パーティーで、拉致被害者家族の蓮池透氏から爆弾発言が飛び出した。2002年に蓮池透氏の兄薫氏を含む被害者5名が日本に「一時帰国」した後、彼らが再び北朝鮮に戻るのを阻止したのは安倍晋三(当時は小泉政権の官房副長官)だとされてきたが、それは嘘だというのだ。
辻元清美さんの集い
— きむらゆい (@yuiyuiyui11) 2015年12月9日
蓮池さん
安倍さんは第一次の時に、拉致を政治利用した。
弟たちが一時帰国で帰らなければならない時に、安倍さんが止めたと美談になっているが、それは真っ赤な嘘で、電話すらしてこなかった。止めたのは私なんです。 pic.twitter.com/R3Ad0GKZ2E
このすぐ後に出版された蓮池透氏の著書『拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々』にもこの話は書かれており、国会で緒方林太郎衆院議員(民主党)からこの問題を追求されると、安倍は色をなしてこれを否定した[1]。
○緒方委員 それでは、安倍総理のこれまでの拉致問題に対する姿勢についてお伺いをいたしたいと思います。
先般、十二月に、元家族会の事務局長をやっておられました蓮池透さんがこのような著書を出しておられます。「拉致被害者たちを見殺しにした安倍晋三と冷血な面々」という題の本でございます。その第一章の表題は「拉致を使ってのし上がった男」、そういう題であります。五十三ページのところにこういう記述があります。「いままで拉致問題は、これでもかというほど政治的に利用されてきた。その典型例は、実は安倍首相によるものなのである。」蓮池透さんがこのように書かれております。
(略)
○緒方委員 それでは、もう少し具体論に入ってお伺いをいたしたいと思います。
二〇〇二年、小泉総理の訪朝時、蓮池薫さんたち五人が戻ってきたときのことですが、当時、当初は、これは一時帰国であるとされまして、その後一旦北朝鮮に戻す約束になっていたと言われています。しかし、世間的には、当時の安倍官房副長官が強硬に反対をして北朝鮮に戻さなかったということになっているわけでありまして、安倍晋三総理大臣も、直接、自分自身のフェイスブックでのエントリーで、「拉致被害者五人を北朝鮮の要求通り返すのかどうか。(略)彼は被害者の皆さんの「日本に残って子供たちを待つ」との考えを覆してでも北朝鮮の要求通り北朝鮮に送り返すべきだと強く主張しました。私は職を賭してでも「日本に残すべきだ」と判断し、小泉総理の了解をとり五人の被害者は日本に留まりました。」こう書いておられます。
その一方で、この蓮池透さんの本には、七十二ページにこのような記述があります、安倍氏や中山内閣官房参与を含め日本政府は弟たちをとめることなどしない、戻す約束があるからだと。そして、少しページを移りまして、
北朝鮮に戻ったら、二度と日本の地を踏むことはないだろう。また日本に残った場合は、その確率は非常に小さいかもしれないが、北朝鮮当局も人の子、子どもたちを日本で待つ親元へ送るわずかな可能性がある。その可能性に賭けよう。まさに、ギャンブルだが、苦悩の決断をしたのだ。
この弟たちの「北朝鮮には戻らない、日本に留まる」という強い意志が覆らないと知って、渋々方針を転換、結果的に尽力するかたちとなったのが、安倍氏と中山氏であった。
あえて強調したい。安倍、中山両氏は、弟たちを一度たりとも止めようとはしなかった。止めたのは私なのだ。
というふうに書いてございます。安倍総理の思いと蓮池透さんが言っておられること、全く反するわけでありますが、いずれが真実でしょうか、安倍総理大臣。
○安倍内閣総理大臣 私は、この問題について、利用したことも、うそをついたこともございません。
ここに平沢議員がおられますが、当時は、この五人の被害者を北朝鮮に戻すということがいわば流れだったんですよ、実際。流れだったわけでありますが、私は断固として反対をしました。当時、平沢さんも反対をいたしました。これをどうやって覆すか。これは大変だったんですよ。
しかし、まさに、最終的に私の、官房副長官の部屋に集まって、私も中山恭子さんも集まりました、関係者が全て集まりました。今NSCの局長の谷内さんも集まった、今の齋木次官も集まった。そこで最終的に、私は、帰さないという判断をいたしました。
透さんはそこにはかかわっていないわけでありますが、これは例えばほかの拉致被害者御本人に聞いていただければおわかりだと思います。(発言する者あり)
私は誰がうそをついているとは言いたくありませんが、私が申し上げていることが真実でありますし、ほかの方々に聞いていただきたいと思いますよ。
(略)
あの五人の被害者を日本に残すというときもそうだった。国論を二分しようという策謀は常にあるんですよ。こんなものにひっかかっていてはだめなんですよ。そうではなくて、しっかりと私たちは団結をしなければいけない。あなたがこういう質問をすること自体が、私は本当に残念に思います。
○緒方委員 それでは、確認まででありますが、蓮池透さんはうそを言っているということでよろしいですか、安倍総理大臣。
○安倍内閣総理大臣 私は誰かをうそつきとは言いたくありません。
しかし、私が申し上げていることが真実であるということは、バッジをかけて申し上げます。私の言っていることが違っていたら私はやめますよ、国会議員をやめますよ。それははっきりと申し上げておきたいと思います。
(略)
今ここであなたがそうやって批判することが、まさに北朝鮮の思うつぼなんですよ。そういう工作は今までもずっとあったんですね。そういう工作もずっとあったというのは事実であります。常にマスコミを二分し、国論を二分してこの問題で闘う力を落とそうとしてきたのが今までの歴史であります。
さて、蓮池透氏と安倍晋三のどちらが嘘つきなのだろうか?
二人の日頃の言動を較べてみれば、安倍が嘘をついていることは誰の目にも明らかだと思うが、その証拠は意外なところから出てきた。
あれ?
— 미 현(みひょん 猫の勢力) (@miyomi34) 2016年3月30日
ここに安倍が日本に帰国した拉致被害者に「一旦 北に帰れ」って言ったって書いて有るよ!(◎_◎;)https://t.co/yww44XSRN4 pic.twitter.com/KRWd00sFqB
ここで引用されている文章は、勝木勇人札幌市議会議員(自民党)のHPに載っていたものである。勝木氏が2003年1月14日に開かれた「安倍晋三先生を囲む会」で安倍から直接聞いた内容だ。(記事掲載は同年1月30日)蓮池透氏の言っているとおり、安倍は被害者5人を北朝鮮に戻らせるつもりだったが、被害者(おそらくその家族も)の強い反対で渋々方針を変えたと書かれている。
身内からの証言で安倍のアウトは確定というわけだが、この話にはまだ続きがあった。いま勝木氏のHPに載っている同じ記事を見ても、問題の文章が見当たらないのだ。これはどういうことなのか。
同記事の魚拓を調べてみると、4月2日から3日の間のどこかで問題の部分がすっぽり削除されていることが判明した。
安倍晋三先生のレクチャーは、実に中身が濃いものでした。
「小泉さんは、実際、経済通でない」という話からはじまり、竹中さんの話になり、「竹中さんは、話を整理するのが上手で、政治家的な人の動かし方にも長けている」というような噺も出て、イギリスでは国会議員でないと大臣になれないという話や、また、エリツィンが莫大な予算をつぎ込んでクレムリンの内装をエカテリーナ王朝時代のようにリホームした話も聞きました。ロシアとしては、不況その他で国民がロシア人としてのプライドを失いつつあり、クレムリンのリホームは、そのプライドを回復するための事業だったそうです。そんな話の他に、北朝鮮の今後の展開に関する予測やら国内事情やら、興味深い話が盛りだくさんでした。
「日本人は、北朝鮮は時間の問題で、そのうち必ず崩壊すると思ってるようですが、これは米国がそうしたいと思っているだけのことであり、そうなるかどうかは、周辺国の態度を見なければわからない。ロシアや中国はキム・ジョンイルの政権こそ支持しないかもしれないが、北朝鮮が崩壊することを望んではいないし、そうならないための援助も続けるはずであり、北朝鮮はそう簡単にはなくならないと思います」というような予測も出てました。
拉致被害者の話になり、地村さんたちには、最初、「とにかく一度北朝鮮に戻って、子供を連れて帰国するべきだ」という話をしたそうです。しかし、地村さんたちは、この申し入れを断固拒否したそうです。「一度、戻ったら、二度と帰国はできない」ということだったそうです。「私(安倍)他、政府の人間がたくさん同行すれば、変なことにはならないでしょう」と言うと、「みんなで一緒に行っても、突然銃をもった者が部屋に入って来て、我々を引き離そうとしたら、どうしますか? 安倍さんたちは、その場で何ができますか?自衛隊も一緒に行ってくれるなら話は別ですが、」と言われ、結局、彼らの言うとおりにしたそうです。
子供が残されてしまった件については、「どうして連れてこなかったのか?」ということを聞いてみたそうです。すると、「むこうでも、子供を連れて行きたいかどうか、何度も尋ねられましたが、連れて行きたいと答えると、帰国できないと思った」そうです。彼らは、拉致されて以来、何度も、その手の誘い水を向けられ、その度に、「日本になど帰りたくない。私は、北朝鮮に永住したいし、日本などは大嫌いだ」と言い続けていたそうです。それを言い続けたから今日まで生き延びられたそうで、一度北朝鮮に戻ったら、「日本になど戻りたくない」と言い続け、日本の悪口を言い続けなくてはならないそうです。むこうでは、家族単位で処刑された拉致被害者は数え切れないほどたくさんいるそうです。(北朝鮮では、処刑というのは、常に家族単位で行われるそうです。親だけ殺すと、その子供は反政府意識をもつから、という理由だと思われます。)
ちなにみ、北朝鮮では、子供は6歳になると親元を離されるそうで、地村さんたちも、子供と会うのは、年に1度か2度くらいだったそうです。そういう事情があるなら、彼らの子供たちは、すでに、あの国の洗脳を受けているうえに、日本語もしゃべれないし、親子の情も通い合わないような状況なのかと思われます。だから「子供と会いたい」とか「連れて帰って欲しい」というよぅなことは口には出してますが、そのために自分の命をかけるつもりにはなれないのでしょう。
もっとも、曽我さんだけは、アメリカ人とのハーフの子をもっていたためか、ずっと子供と一緒に暮らしていたそうです。質問の時間になり、私も一点だけ質問することができました。
「アメリカ経済は、今年の末から来年にかけて本格的に崩壊する、という説があるが、日本政府としては、どう予測しているのか? 日本への影響をどの程度に見積もっているのか? 被害を食い止める防御策は考えているのか?」
安倍晋三先生のレクチャーは、実に中身が濃いものでした。
「小泉さんは、実際、経済通でない」という話からはじまり、竹中さんの話になり、「竹中さんは、話を整理するのが上手で、政治家的な人の動かし方にも長けている」というような噺も出て、イギリスでは国会議員でないと大臣になれないという話や、また、エリツィンが莫大な予算をつぎ込んでクレムリンの内装をエカテリーナ王朝時代のようにリホームした話も聞きました。ロシアとしては、不況その他で国民がロシア人としてのプライドを失いつつあり、クレムリンのリホームは、そのプライドを回復するための事業だったそうです。そんな話の他に、北朝鮮の今後の展開に関する予測やら国内事情やら、興味深い話が盛りだくさんでした。
「日本人は、北朝鮮は時間の問題で、そのうち必ず崩壊すると思ってるようですが、これは米国がそうしたいと思っているだけのことであり、そうなるかどうかは、周辺国の態度を見なければわからない。ロシアや中国はキム・ジョンイルの政権こそ支持しないかもしれないが、北朝鮮が崩壊することを望んではいないし、そうならないための援助も続けるはずであり、北朝鮮はそう簡単にはなくならないと思います」というような予測も出てました。
質問の時間になり、私も一点だけ質問することができました。
「アメリカ経済は、今年の末から来年にかけて本格的に崩壊する、という説があるが、日本政府としては、どう予測しているのか? 日本への影響をどの程度に見積もっているのか? 被害を食い止める防御策は考えているのか?」
上の魚拓のマーカー部分がそっくり削除されている。勝木市議のこの記事がネット上で拡散され始めたため、あわてて削除させたのだろう。国会答弁で蓮池透氏を誹謗中傷したうえ、隠蔽工作までした嘘つき安倍晋三は、自分の言葉通り、即刻議員を辞職すべきである。
[1] 衆議院予算委員会 2016年1月12日