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パンとサーカス

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ラグビーワールドカップ日本大会が始まって以来、ラグビー人気の急上昇っぷりがすさまじい。20日夜の日本対南アフリカ戦生中継の瞬間最高視聴率は49.1%、平均視聴率でも41.6%を記録したという。

ラグビーなんて、以前は年に一度の早慶戦が話題になる程度のマイナースポーツだったはずだ。

ワールドカップを契機に、多くの人々がそれまで知らなかったラグビーの魅力に目覚めたというのなら良いことだが、ルールも知らないままTVにかじりついて「勝った、勝った」と盛り上がっている様子を見ると、国威発揚のための作られたブームに乗せられている感が強すぎて素直には喜べない。

もちろん、このブームを最大限に利用しているのが森羅万象担当総理大臣こと安倍晋三閣下であることは間違いない。

家族を失っても、大事な家を流されても、日本チームの快進撃を見せておけば被災者は元気になるとでも思っているのか。現在進行中の大災害のさなかに首相がこれを言うなど、正気を疑うレベルの無責任さだ。

で、最後がこれ。

まさに安倍にとっては、ワールドカップのおかげで不況下での消費税増税の強行も、関西電力の原発マネー還流も、閣僚の公選法違反も大した問題にならずに済んだ「夢のような一ヶ月」だったのだろう。

古代ローマの権力者たちが市民を手懐けるために駆使した「パンとサーカス」を想起させるやり方だが、古代ローマと現代日本ではこれにも大きな違いがある。

古代ローマでは、剣闘士の試合などの見世物を提供するだけでなく、財政上相当な負担となったにもかかわらず、市民に無料で食料(小麦)を配給していた。支持を得るには娯楽の提供だけではダメで、無産市民でも最低限の生活を維持できるよう支援してやらなければならなかったからだ。

一方、現代日本ではどうかといえば、与えられるのは「サーカス」だけで、「パン」は与えられるどころか奪われるばかりである。

これで政権支持率は44%(時事通信調べ)というのだから、現代日本人の政治リテラシーレベルが2千年前のローマ人より下なのは確実だ。歴史的に見ても、これほどちょろい民族は珍しいと言えるだろう。

たかがラグビーワールドカップでこれなのだから、来年の東京オリンピック騒動ではどうなることか。

自分自身が餓死の恐怖に直面するまで気が付かないのだろうか。

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