昨年12月24日夜、北海道・新千歳空港の国際線ターミナルで、大雪による欠航で足止めされた中国人乗客たちが集団で抗議するという騒動が発生した。
中国人100人、欠航で大騒動 大雪の新千歳空港 警官出動も
【千歳】大雪の影響で欠航便が相次いだ新千歳空港国際線旅客ターミナルビルで24日夜、搭乗予定だった便が欠航したことに中国人約100人が抗議し、一部が搭乗口のゲートを乗り越えて飛行機に入ろうとする騒ぎがあったことが、道警への取材で分かった。
千歳署によると、中国人が航空会社のスタッフに詰め寄るトラブルは同日、断続的に発生していたが、午後8時ごろから激しさを増したため、警察官が30人態勢で、翌25日午前8時ごろまで警戒に当たった。
警察が駆けつけたところ、保安検査や出国手続きを終えた約500人の搭乗客で混雑していた搭乗口前で、約100人の中国人が抗議していた。搭乗口のゲートを勝手に乗り越えようとした搭乗客を制止した警察官に対して詰め寄る場面もあったという。
24日に起きた騒動だけを抜き出したこの報道だと、いかにもこらえ性のない中国人たちが身勝手に騒ぎ出したように見えるが、実際にはそんな単純な状況ではなかった。
(略)香港のメディアは、「2晩空港に足止めされた女性によると、床の上に直接寝なければならず、物資はほとんど尽きていて、空港職員が配る食事も全員がもらえたわけではなかった。旅行者の中には薬や赤ちゃんの粉ミルクがなくて困っている人もいた」などと伝えた。実際、中国人2人が体調不良を訴えて病院に運ばれている。
中国人の多くは中国系の航空会社を利用していたが、ある旅行者は「新千歳空港で3日も待っているのに何の案内もない。他の航空会社の飛行機は次々に飛んでいるのに」といった不満の声があった。また、騒動のきっかけについて、「日本のグランドスタッフが、ほかの客と中国人を比較するような言葉を発したことから抗議がエスカレートした」と証言する人もいたという。(略)
(略)当時、現場にいたという上海在住の男性によると、1日目(22日)の夜、足止めされた旅行者らにはホテルや宿泊場所は提供されなかったが、空港内の一部を開放し、毛布や寝袋が提供された。この時は、中国人旅行者らも秩序を保っていた。(略)
3日目になり天気が回復して、国内便や韓国、タイなど他国の航空会社の便は次々と搭乗が案内されたが、中国の航空会社はいつまでたっても案内されず。翌日(25日)からは再び大雪になる予報で、所持金も少なくなり、コンビニで購入できる食料なども限られていた中で中国人客らは焦り始める。搭乗口に集まり、航空会社の担当者に状況を尋ねるが、答えは当日(24日)の便を優先するというもので、22、23日の便について明確な回答はなかった。これが騒動のきっかけとなったようだ。
実際に当事者だった中国人たちはどんな思いだったのか。観察者網は当時、新千歳空港にいたユーザーの投稿を紹介している。
「3日目、つまり24日には天気が回復したが、おかしなことに当日の便を先に出発させた。この時はまだみんな我慢していた。残ったのは中国と韓国の航空会社の便だけで、その後韓国便も出発した。空港内のローソンも物はなくなるし、物価がもともと高くて所持金も少なくなった。何度も出たり入ったりで疲労がたまり、ほとんど極限状態だった。こうした状況で異なる待遇を受けることは本当に受け入れられなかった」(略)
このほか、以下のようなコメントも寄せられている。
「3日目に天気が回復しても、日本は国内便を優先させた。その上、食べ物も宿も手配してくれなかった。そのせいで病気になった人もいる。抗議した時、韓国人の乗客も加勢していたのに」
「3日間も足止めされて、食べ物も飲み物も泊まるところもないなかで感情をコントロールできるのは神か聖母。日本の空港と航空会社に責任はないのか?旅行者だけを責めるのは不公平だ」(略)
24日当日に飛行機が欠航になって乗客が騒いだわけではなく、彼らは既に22日から空港内に足止めされていて、食事すら十分に提供されず、しかも自分たちの便より後の国内便などが先に出発していくのを目の当たりにしていたわけだ。これでは、むしろ怒らないほうが不思議なくらいだ。
情けなく、申し訳ない気分になる。航空会社、入管、警察、空港のトップ……日本の関係者それぞれが、土下座して謝っても足りないくらいの話だ/中国人の怒りの原因はほかに?新千歳空港の騒動の当事者が真... -- Record China https://t.co/bFxdFDMoGq
— ガイチ (@gaitifujiyama) 2016年12月30日
報道を読み解く力は大事。
— 清水 潔 (@NOSUKE0607) 2016年12月31日
「空港当局者は、きちんと旅客をケアしなかった側ですから、そういう人たちにぶら下がり取材をして、そのままニュースにするようだと真実や原因は解明されない
なぜ中国人が騒いだか。 | いすみ鉄道 社長ブログ https://t.co/dztR3Q7SFh
清水氏のツイートにはホテルを手配しなかった中国の航空会社(だけ)が悪いというリプライがついているが、乗客たちは既に出国していたのだから入管が許可しない限り国内側に戻ることはできないし、管制の許可なく航空会社が勝手に自社便を飛ばすこともできない。当然、航空会社だけでなく空港当局の責任も重大なはずだ。
国際線の待合室というのは日本を出国後ということですから、お客様は自由に出入りできない状態です。
そういう所に前の晩から閉じ込められたまま、十分なケアもされていない中で、騒いだのが夜8時過ぎということのようですが、2晩目を同じ場所で迎えようとしているわけで、その人たちの目の前を、24日の同じ便が、23日のお客ではなくて、24日のお客を乗せて出発していく。そういう状況を目の当たりにしたら、そりゃあ私だって暴れますよ。
少なくとも、入管や税関はどういう取り扱いをしたのか。航空会社はどういう取り扱いをしたのか。元業界人としてはとても気になるのですが、最初のTBSのニュースを見る限りは何も記されていません。
少なくとも、騒いだ中国人乗客たちを非難して済むような話ではない。
ところが、この騒動のニュースに脊髄反射的に反応して、差別排外主義者の本性を曝け出した者がいる。小林よしのりである。
新千歳空港の暴動は将来の予行演習
新千歳空港で、大雪で搭乗便の欠航に怒った中国人100人が暴れまわり、警察官につかみかかる大騒動になった。
さもありなん!やっぱり中国人!雪が珍しくて北海道に来る中国人は多いが、その雪が原因で飛行機が飛ばなくなると、キレて暴動を起こす。
それが中国人!納得だ!(略)
「お・も・て・な・し」などと言って、中国人の観光客に過剰なサービスをしているが、いずれ巨大地震も起こるだろう。
そのとき暴動を起こすのは、もちろん中国人に違いない。
中国人の落とすカネを今はありがたがっているが、いざ災害のときには、何を起こすか分かったものではない。こう言えば必ず差別だと言って、「ポリコレ棒」を振り回す輩が湧いて出るだろうが、危機管理は今から考えておかねばならない。
日本は地震大国だ。日本人は我慢強い。公共心が強い。
だが観光客だらけの日本で、将来、非常事態に何が起こるか、想定しているだろうか?
新千歳空港の中国人の暴動を見ていると、将来に起こる禍々しいことの予兆のようで、背筋が寒くなる。
今回の小林発言は、かつて石原慎太郎が、大災害時には「不法入国した多くの三国人、外国人」が騒擾事件を起こす、と暴言を吐いた「三国人発言」とまったく同じである。いや、小林は「不法入国した犯罪者」どころか観光に来ただけの普通の中国人が暴動を起こすと言っているのだから、妄想度の高さではあの石原さえ超えている。
確かに、小林自身が言うように、将来必ずまた起こるだろう大災害に向けて、危機管理は真剣に考えておかねばならない。しかし、そこで警戒すべきは観光客による暴動などというあり得ないお花畑事態ではない。厳に警戒すべきは、小林のような差別排外主義者による憎悪扇動である。
このような直球の差別扇動がタレント言論人により流布される本邦において、実際に首都圏直下型地震が起きたら、関東大震災直後の朝鮮人虐殺のようなことが再び起こるに違いない。小林のような人間は、それこそ「何を起こすか分かったものではない」。 https://t.co/838sh2HXIX
— じこぼう (@kinkuma0327) 2016年12月28日