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極右幼稚園に子どもを入れることを期待されているのは誰か

 
国有地格安払い下げ疑惑で話題の塚本幼稚園(森友学園)だが、疑惑以前にその異様な教育方針だけでもうお腹いっぱい、という感じだ。

それにしても、こんな極右幼稚園だの小学校だのに、いったい誰の子どもを入れたいのだろうか。

無垢な幼少時から極右思想を叩き込まれて洗脳されたらどうなるか。大戦末期の特攻作戦で、機体の故障などで目標地点にたどり着けず帰還した隊員たちを「再教育」する役割を担っていた参謀の言葉が浮かんでくる[1]。

 倉澤参謀は、学徒出身の特操は知識があるゆえ、命がけの作戦に尻込みをしたと決めつける。

 「悪口じゃないですよ、要するに(特攻は)あまり世間を知らないうちにやんないとダメなんですよ。法律とか政治を知っちゃって、いまの言葉でいえば、人の命は地球より重いなんてこと知っちゃうと死ぬのは怖くなる」

 特操に比べて少年飛行兵は扱いやすいという持論も披瀝している。

 「十二、三歳から軍隊に入ってきているからマインドコントロール、洗脳しやすいわけですよ。あまり教養、世間常識のないうちから外出を不許可にして、そのかわり小遣いをやって、うちに帰るのも不十分な態勢にして国のために死ねと言い続けていれば、自然とそういう人間になっちゃうんですよ」

 少年兵たちは倉澤参謀の言葉に従い黙々と軍人勅諭を書き写していたという、大貫さんの証言が思い出される。

安倍晋三夫妻に子どもはいないが、仮に入園適齢期の子どもがいたとしても、こんなところに大事な息子や娘は入れないだろう。「一旦緩急アレバ義勇公ニ奉ジ以テ天壤無窮ノ皇運ヲ扶翼スベシ」などという戯言を信じ込んで自衛隊なんかに入り、いざというときに最前線を志願して突っ込んで行ったりされたら困るからだ。

少なくとも、この国の支配層・富裕層の子どもをここに入れることは想定されていない。支配する側が自分の子弟に受けさせたい教育とは異なるからだ。

要するに、安倍自民党がこんな極右学園に肩入れし便宜を図るのは、少しでも多くの「下々の者ども」に、余計なことなど考えず、国家の命令に素直に従って命を捨てる、操りやすい心性を叩き込みたいからなのだ。
 
[1] 大貫健一郎、渡辺考 『特攻隊振武寮 証言・帰還兵は地獄を見た』 講談社 2009年 P.231-232

 

特攻隊振武寮──証言:帰還兵は地獄を見た──

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陸軍特攻振武寮―生還した特攻隊員の収容施設 (光人社NF文庫)

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