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それにしても『宇宙戦艦ヤマト』はひどいアニメだった

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最近TLで、80年代からのアニメブームの火付け役となった『機動戦士ガンダム』や『宇宙戦艦ヤマト』について、これらが戦争賛美アニメだったかどうかが話題になっていた。

私もこれらの作品をTVシリーズ第1作から見ていたが、ガンダムはともかく、ヤマトは子供心にも違和感を感じることだらけだった。今、改めて整理してみるとこんな感じ。

  • 地球滅亡まであと1年という全人類的危機なのに、その危機を打開する切り札として登場するのが侵略国家大日本帝国の軍事力を象徴する戦艦「大和」で、しかも艦長以下クルーは全員日本人。多様性も国際性もゼロ。

  • 何もしていない地球人類が一方的に悪の異星人ガミラスに侵略されるという被害者設定で、しかもデスラー総統率いる独裁国家ガミラスがどう見てもナチスドイツのイメージ。戦艦大和が実際に戦った第二次大戦では敵どころか同盟国だったのに。

  • たった一隻で星間国家レベルの大軍と戦って勝ち続けるというご都合主義。しかも、毎週ボロボロになりながら翌週にはしれっと直っている。補給もないのにどうやって? これが通用するならガダルカナルもインパールも楽勝だったはず。

  • 女性クルーが森雪ただ一人で、しかも主人公古代進の恋人という役割をあてがわれ、ストーリー上の都合に合わせて死んだり蘇ったりと、ひたすら感情労働をさせられる。

  • ガミラスの遊星爆弾による攻撃で海は干上がり、地上の生物は絶滅していたはずなのに、ヤマトがコスモクリーナーを持ち帰ると何事もなかったかのように青い地球が蘇る。そんなはずないだろう。これこそご都合主義の極み。

他にも、敵ガミラスを滅亡させた後で、古代がこんな歯の浮くようなセリフを吐く、というのもあった。


とにかく、一言で言ってしまえば「気持ち悪い」としか言いようがない。なにしろ原作者の西崎義展は、石原慎太郎や西村眞悟が尖閣に上陸を図ったとき石原に自分の船を提供したほどの極右だったのだ。「宇宙戦艦ヤマト」は、何ひとつ反省することのなかった戦後右翼が妄想した、「本当はこうあって欲しかった太平洋戦争と戦艦大和の物語」を、SFという舞台に投影した極右ファンタジーと評すべき代物だ。

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