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立憲主義も表現の自由もまったく理解していない政治屋たち

「あいちトリエンナーレ2019」内の企画展「表現の不自由展・その後」の騒動では、立憲主義や表現の自由をまったく理解していない政治屋たちのクズな言動が続出した。

■ 河村たかし

まずは河村たかし(名古屋市長)。

ハフィントンポスト(8/2)

河村市長は、少女像が設置されることを7月31日の夜に初めて知ったという。2日正午に同展を視察。その後囲み取材に応じ、「どう考えても日本人の、国民の心を踏みにじるもの。いかんと思う」と話し、作品の展示を即刻中止するよう愛知県知事に求めると発表した。

河村は、自分の好悪感情に過ぎないものを「日本人の、国民の心を踏みにじるもの」と勝手に一般化し、これを根拠に美術展の展示内容に介入した。しかも公文書で展示中止を要求したのだから、明らかな検閲である。(検閲は事前にやるものだからこれは当たらないという、本質を外した矮小化論は却下。)

東海テレビ(8/5)

大村愛知県知事:「中止しろと書いてあるわけです、公文書で。公権力を持った方が『この内容はいい、この内容は悪い』というのは、これは憲法21条による検閲ととられても仕方がないんじゃないでしょうか」

河村はその上、自分が圧力をかけて潰した展示の関係者に謝罪まで要求している。

共同通信(8/3)

 国際芸術祭「あいちトリエンナーレ2019」での「平和の少女像」などの展示中止を受け、中止を求めていた実行委員会会長代行の名古屋市の河村たかし市長は3日、「やめれば済む問題ではない」と述べ、展示を決めた関係者に謝罪を求めた。市内で記者団の取材に応じた。

冗談ではない。憲法違反の表現潰しを行った河村こそ謝罪し、即刻辞任すべきだ。

■ 松井一郎、吉村博文

維新の松井一郎(大阪市長)や吉村博文(大阪府知事)も同類だ。

朝日新聞(8/2)

 河村氏は大阪市の松井一郎市長から少女像の展示について「どうなっているんだ」と電話があったことを明かした。松井氏は報道陣の取材に「日本で公金を投入しながら、我々の先祖がけだもの的に取り扱われるような展示物を展示されるのは違うのではないか」と話した。

「我々の先祖」だの「じいちゃん」だのを持ち出すのは小林よしのりもよく使う手法だが、そんなことを言っていたら世界中のいかなる残虐行為も加害者の子孫が否定できることになってしまう。だいたい、「けだもの」はメスを強姦したり売春を強要したりしないので、この手の詭弁は野生動物に対して失礼というものだ。

■ 菅義偉

安倍内閣お得意の「テロには屈しない」はどこへ行ったのか?

■ 憲法の規定する「表現の自由」を平然と無視する政治屋たち

これらの政治屋連中は、憲法21条の規定する「表現の自由」が、誰に対して何を要求しているのか、まったく理解していない。

第21条 集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、これを保障する。
 検閲は、これをしてはならない。通信の秘密は、これを侵してはならない。

この点については、日本国黄帝さんが一連のツイートで大変わかりやすく説明されていたので、借用させていただくことにする。

一つだけ付け加えておけば、国民には「表現の自由」を守る義務はないが、憲法第12条に「この憲法が国民に保障する自由及び権利は、国民の不断の努力によって、これを保持しなければならない」とあるとおり、政府や自治体に「表現の自由」を守らせる義務はある。

だから、自治体首長や内閣の構成員という、公権力を行使する立場にありながら公然と憲法遵守義務を踏みにじるこれらの政治屋連中は、国民自身の手で政治の場から追放しなければならない。それは国民全体の責務なのだ。

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