TLに流れてきたふるまいよしこさんの連続ツイートが、中国人への偏見を作り出すマスコミの問題を見事に暴いていたのでメモ。
今朝またどっかのニュースワイドショーで、中国人が江戸川河口で牡蠣を取っているという話が流れていた。レポーターがきいてみると、「友達で食べる」と答えていた。だが、番組は、1)野生のマガキは「衛生上危険である」という話と、2)潮干狩り指定地区外だから「ルール違反である」という話…
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
3)「牡蠣は水質をきれいにするから、できれば取っていただきたくはない」という地元の漁協の人の話、4)「食品流通」の話がごっちゃになっていた。で、何が言いたいのかというと、結局は「中国人がルール違反」と言いたいのだろう。それに食品衛生の話を…@furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
絡めて、見ている人に不安を抱かせるという構造。だが、まず、「友人と食べる」というのはあながちウソではない可能性がある。日本人は想像できないだろうが、中国の人たちは一旦食事の集まりになると10人〜20人軽く集まる。十分食べちゃえる範囲。@furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
そして、先に挙げた1)の衛生問題だが、可能性として採ってる本人たちは知らないかもしれない。というか、テレビを見ていた人たちのほとんどが、「天然のマガキは衛生上危険」という事実を知らなかったはずだ。それを、現場で彼らに伝えずに、後からうだうだいう…@furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
そして2)の「潮干狩り地域外」というのも、そういう指定地域があるということを知らない人たちが(たぶん、日本人のほとんどもそれとは気がついていないはずだ)、「お、あそこに牡蠣がある」と掘り始めた可能性がある。だったらルールを教えてやればいい。@furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
3)の「水質改善」についても、やはり日本人のほとんどが知らない事実だろう。だが、番組でも言っていたが、牡蠣採りしていたところは漁協の管理範囲内ではなかった。だから漁協の人の言葉も最初は穏やか。後半で食らいついた結果、厳しい言葉を引き出して流してた@furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
そして、4)に至っては、本人たちは「友達と食べる」と言っていたのが、スタジオでは証拠も出さずに「レストランに流れている」という論で語られていること。つまり、VTRの話を勝手にスタジオが勝手にねじ曲げて視聴者に伝えていた。@furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
最後にスタジオの弁護士が、「あの採取量で、自分たちで食べると言っているのであれば、それを覆す証拠がなければ罪には問われない」と真っ当なことを言っていたが、それはそのままスルーされていた。あんな、印象操作バリバリの番組作りを平気でしている日本@furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
もし、あれを報道の自由というのであれば、言っておこうか。「自由と責任は表裏一体」、あの番組を作っている人たちは、責任を負う気があるのか? @furumai_yoshiko
— ふるまいよしこ (@furumai_yoshiko) 2016年5月1日
漁協の管理区域でもない場所で中国人が野生の牡蠣を採っていたというだけのことを、いかにも問題であるかのように歪めて報道する。そもそも報道するほどニュースバリューがあるかどうか自体疑問な出来事が、テレビで流されることによって「問題化」されていく。
これ一つをとってみればささいな話だが、こうした「報道」が日常的に繰り返し繰り返し行われることによって、中国・中国人に対する抜きがたい偏見が社会に刷り込まれていくのだ。日本社会が重要な隣国に対してそのような偏見をつのらせていけば、ろくな結果につながらないことは言うまでもない。
この番組を作った者たちは、恐らく意図的に歪曲を行っているのではなく、「そのほうが受けるから」「中国人のことだし」「この程度なら問題ない」くらいの認識で、息をするように自然にやっているのだろう。悪意がないだけに、問題に気づくことも、反省もない。意図的な歪曲報道より、この手の日常化されたバイアスのほうがむしろ恐ろしい。