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米民主党はサンダースを指名候補にしなかった時点でトランプに負けていた

トランプが次期大統領に当選したことを受けて、11月9日、サンダースは次の声明を発表した

Sanders Statement on Trump
Wednesday, November 9, 2016

BURLINGTON, Vt., Nov. 9 -- U.S. Sen. Bernie Sanders (I-Vt.) issued the following statement Wednesday after Donald Trump was elected president of the United States:

Donald Trump tapped into the anger of a declining middle class that is sick and tired of establishment economics, establishment politics and the establishment media.  People are tired of working longer hours for lower wages, of seeing decent paying jobs go to China and other low-wage countries, of billionaires not paying any federal income taxes and of not being able to afford a college education for their kids - all while the very rich become much richer.

“To the degree that Mr. Trump is serious about pursuing policies that improve the lives of working families in this country, I and other progressives are prepared to work with him. To the degree that he pursues racist, sexist, xenophobic and anti-environment policies, we will vigorously oppose him.”

訳:

ドナルド・トランプは、支配者層による経済、支配者層による政治、支配者層によるメディアにうんざりしている、没落しつつある中間層の怒りを利用した。人々は、わずかな賃金のために長時間働くことや、まともな給与を支払われる仕事が中国その他の低賃金国に流出していくことや、連邦所得税を払わない億万長者や、経済的理由で子どもたちに大学教育を受けさせられないことにうんざりしている。しかも大金持ちたちはますます豊かになっているのに。

トランプ氏が、この国の勤労家庭の生活を改善する政策を真剣に進めるなら、私も他の進歩派も彼と協力する用意がある。しかし彼が人種差別、性差別、排外主義、環境破壊政策を推進するなら、我々は徹底的に彼と闘うだろう。

実に真っ当な見解である。彼が今回の大統領選で最も真っ当な候補者だったのだから当然ではあるが。


大方のマスコミの予想とは異なり、民主党はサンダースを指名候補にしない限りトランプには勝てないだろうとネット上では早くから言われていた。


しかし、現大統領のオバマをはじめ、トランプの勢いを甘く見ていた民主党幹部は最初からヒラリー・クリントンを指名候補者にするつもりだったのだろう。サンダースに対して露骨な妨害を行った。


ヒラリー陣営はサンダースの政策を大幅に公約に取り入れることでサンダース支持者の取り込みを図ったが、所詮は選挙対策だろうと見なされて信用されなかった。


せめてサンダースを副大統領候補にしていれば、まだトランプに勝てる可能性はあった。しかし、ヒラリーがやったのはその真逆だった。


結果は周知のとおり。得票数ではヒラリーがトランプを上回っていたことからも分かるように、決してトランプが従来の共和党候補以上に支持されたわけではない。既得権益層の代理人だったヒラリーと民主党幹部連中が徹底的にダメだったのだ。