読む・考える・書く

マスコミやネットにあふれる偏向情報に流されないためのオルタナティブな情報を届けます。

籠池夫妻を釈放せよ!

森友学園前理事長の籠池泰典氏(64)と妻の醇子氏(60)の、異常な長期勾留が続いている。

籠池夫妻の容疑は補助金の不正受給による「詐欺」とのことだが、そもそも籠池氏が不正受給したとされる金額が比較的少額であるうえ、既に全額返還済みであることから、逮捕の必要性自体に疑問が持たれてきた。

参考:郷原信郎が斬る

それが、再逮捕と勾留延長を繰り返しながら、起訴もされない裁判も始まらないまま既に5ヵ月以上の勾留が続いている。明らかに異常である。

逮捕の要件は「逃亡のおそれ」「罪証隠滅のおそれ」がある場合だが、郷原氏が指摘するとおり、前者がないのは明らかだし、後者についても、既に物証はすべて押収されており、関係者の取り調べも済んでいるのだから、今更籠池氏に証拠隠滅などできはしない。

必要もない勾留を続けているのは、彼らに余計なことをしゃべらせないためだろう。要するに口封じだ。

しかも、冷暖房もない劣悪な環境の独房に閉じ込め、家族との接見すら認めないとはどういうことか。裁判すら受けさせずに勾留を続けるのは判決なしで禁固刑を課しているも同然だし、刑務所にも劣る環境での長期勾留はもはや拷問に等しい。

沖縄平和運動センター議長の山城博治氏が不当逮捕・長期勾留されたときもそうだったが、安倍政権がやろうとしているのは権力による人権侵害を「当たり前」「問題なし」とすることだ。安倍が取り戻そうとしている「日本」とは、特高が十数万人の「思想犯」を逮捕し、少なくとも千数百名以上が獄死した(発狂したり釈放後に病死した者の数は不明)大日本帝国なのだ。

籠池夫妻に対しても、他の誰に対しても、絶対にこのような人権侵害を許してはならない。

 

【関連記事】

 

特高警察 (岩波新書)

特高警察 (岩波新書)

 
思想検事 (岩波新書)

思想検事 (岩波新書)