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翁長沖縄県知事の勇気を讃えたForbes誌記事

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8月8日に亡くなられた沖縄県の翁長雄志知事を、米Forbes誌が「日本で最も勇敢な男」と讃えていた。


アメリカの経済誌という性格からして、その読者の大半は沖縄の米軍基地問題のことなどほとんど何も知らないだろう。記事は約3年前に書かれたものだが、そうした読者に問題の所在と原因をわかりやすく伝えている良い内容なので、一部訳してみた[1]。

日本で最も勇敢な男、沖縄県知事翁長雄志に敬意を表する

Stephen Harner

沖縄県知事翁長雄志は、日本で最も勇敢な男だろうか? いや、他に誰か、日米両政府と米国防総省、敵意に満ち時に暴力的な日本の極右、そして柔軟ではあるが親安倍的な国内メディアに対して、断固として抗う勇気を持った者がいるだろうか。

翁長の前任者であった仲井眞弘多は、結局こうした圧力と脅迫に耐えきれず、あるいは誘惑に負けて、ついに屈服して態度を翻した。一方翁長は、多くの懐疑的な見方に反して、その芯の強さを証明しつつある。

翁長の目標は、沖縄島の中規模都市宜野湾市の真ん中にある米海兵隊の普天間航空基地を、同じ島内の別の場所にある名護市辺野古に移す、いわゆる「移設」を止めることだ。実のところ、これは単なる基地の「移設」ではない。これは、日本では1950年代以来初めてとなる、大規模な多目的米軍基地の計画的新設なのだ。

沖縄県民、とりわけ辺野古の住民にとって、長年反対してきた新基地の建設は、彼らの小さな島への軍事力、それも外国の軍事力のさらなる危険な集中となる。多数派とは言えなくても多くの日本人(そしてまた多くの憂慮する外国人--下記参照--)にとって、この新基地は、日本における、終わりのないかのような米軍の存在(沖縄住民にとっては永遠に続く占領)の、極めて不愉快な、正当化できず不必要な象徴(そして現実)となっている。

昨年、主に地域住民の反対によって何年も遅延した後、安倍政権は新基地建設の第一段階として、辺野古に隣接する湾の埋め立てを開始した。作業は仲井眞前知事による埋め立て承認(彼がやらないと誓っていた行為)の後、ただちに開始され、声高な地域の抗議、裏切りへの告発、作業を阻止するための組織的抵抗を引き起こした。

昨11月の選挙(注:2014年11月の沖縄県知事選)で、新基地建設を止めるためには「何でもやる」と公約した翁長は、仲井眞に対して地滑り的な勝利を収め、再び基地に対する民衆の反対の深さと幅広さを証明した。それ以来、翁長は断固としてその公約を守り、とりわけ政府の申請手続き及び仲井眞の埋め立て許可手続きを再評価するために、環境・法律専門家委員会を任命した。

委員会の報告書は、政府に基地の建設を一ヵ月間停止させるに十分なほど深刻な法的欠陥を指摘していた。また、東京政府の沖縄に対する強引な戦術と発言が全国的な動揺と不安を引き起こしていた。

ちょうど終わったばかりの一時停止期間の間、安倍政権の使節が翁長を丸め込んで(基地建設)反対を止めさせようと那覇に向かった一方で、翁長は言い分を述べるために東京に向かった。すべての対話は暗礁に乗り上げている。

(略)

「世界は見ている:沖縄に新たな米軍基地を作らせないための国際的な学者、芸術家、および活動家の請願」これが2015年9月2日に発行されたAsia-Pacific Journal: Japan Focus Vol.13, Issue 35, No.3に掲載された記事の表題である。この記事は、請願と、これに署名した109名の国際的な学者及び平和主義者たちの名前と肩書きを載せており、翁長知事に対して「沖縄の人々への約束を守る」よう要請している。

請願内容と署名者のリストは興味深いものだ。そしてその論旨は極めて説得力あるものだと思う。機会があれば私も、そうして何か効果があるかは分からないが、喜んで署名するだろう。

翁長に要請するためというより――彼に要請する必要はなさそうだし――彼に敬意を表するために。

備考:本記事の翻訳に際してはブログ「news  from nowhere」さんの訳を参考にさせて頂きました。感謝致します。

[1] Stephen Harner “Paying Tribute to Okinawa Governer Takeshi Onaga: Japan’s Bravest Man”, Forbes, Sep 15, 2015.

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