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中村哲医師の死を9条攻撃に利用する者たち

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4日、長年アフガニスタンで医療や灌漑事業などの人道支援に取り組んできた、「ペシャワール会」現地代表の中村哲医師(73)が、現地を車で移動中に銃撃され死亡するという痛ましい事件が起きた。

中村氏と、氏と共に射殺された5名の方たちのご冥福を心からお祈りする。

中村氏らが行ってきた人道支援の成果がどれほどのものかは、この一枚の比較写真を見るだけでもわかるだろう。

ところがこの国には、よりによって彼の死を憲法9条への攻撃に利用する者たちがいるのだ。

中村氏自身も語っていたとおり、日本は憲法9条を持つがゆえに、決して他国を攻撃せず、中東に軍隊を送り込んでくることもない国として信頼されていた。その意味で、まさに憲法9条が中村氏ら日本人NGOの命を守っていたのだ。

イスラム諸国の人々のそうした信頼感を掘り崩してきたのがイラク戦争を支持した小泉以来の歴代自民党政権であり、止めを刺したのはアメリカの戦争に参加させられることになる集団的自衛権を容認し、イスラエル国旗の前で演説までしてみせた安倍だろう。

kadobun.jp

 終章で、また澤地(注:澤地久枝氏)は書いている。
厄除けめいて日の丸を車のボディに描いてきた中村医師たちは、日の丸が危険防止の方法たり得ない状況に立ちいたったとき、日の丸とJAPANの文字を消す。自衛隊のアフガン介入の予測によって、日本人ボランティアの安全性はいちじるしくおびやかされるに至ったのだ」
 世界において平和憲法を掲げる日本こそが尊敬され、親しまれているのである。それを改めることは、まさに日本を壊すことになる。中村はそれを日々の暮らし、生き方において教えている。
 二〇一三年六月六日付の「毎日新聞」夕刊でも、中村はこう言っている。
「憲法は我々の理想です。理想は守るものじゃない。実行すべきものです。この国は憲法を常にないがしろにしてきた」
 憲法九条が変えられたら、自分はもう日本国籍なんかいらないという中村は、九条の現実性を次のように強調する。
「アフガニスタンにいると『軍事力があれば我が身を守れる』というのが迷信だと分かる。敵を作らず、平和な信頼関係を築くことが一番の安全保障だと肌身に感じる。単に日本人だから命拾いしたことが何度もあった。憲法9条は日本に暮らす人々が思っている以上に、リアルで大きな力で、僕たちを守ってくれているんです」

そう、改めて言うまでもなく、究極の愚か者は中村氏の悲劇をさらなる対米追従と派兵のために利用しようとするこいつらなのだ。


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