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帝国陸軍「兵70名に一人慰安婦を用意しろ」←軍関与が確定

■ 共同通信のスクープ

12月6日、共同通信が、日本軍慰安所(レイプセンター)制度への軍の関与を裏付ける外務省文書の存在をスクープした。

this.kiji.is

(略)在中国の日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に便乗南下したる特殊婦女」などの記述があった。「酌婦・特殊婦女」は別の報告書内で「娼妓と同様」「醜業を強いられ」と説明され、慰安婦を指している。(略)

断片的に報道されている内容からだけでも、軍が行政側に「慰安婦(軍用性奴隷)」の割り当てを要求し、提供された女性たちをまるで軍需物資のように軍の車両で戦地に輸送して、慰安所で将兵との性行為を強要していたことがわかる。

これらの文書は、日本軍と政府機関が組織的に慰安所制度の運用に関与していたことを示す明白な証拠と言っていい。

ちなみに、報告書にあるような「慰安婦」たちの輸送がどのようなものだったかは、村瀬守保氏が日中戦争時の中国で撮影した下の写真などから伺うことができる。[1]

 戦地での移動は、戦局の進むにつれて、前進します。多くは無蓋のトラックで、荷物同様に運ばれる有様でした。
 終戦後、彼女達には、敵国人としての、一層悲惨な運命が待ち構えているようでした。

■ ネトウヨ狂乱

公文書という証拠を突きつけられてネトウヨは逆上、上記のYahoo!ニュース記事にはわずか一日程度の間に5,000件以上のコメントが書き込まれている。

典型的なコメントをみつくろってみるとこんな感じだ。

サンプル1:

慰安婦はいた それは事実 だが誘拐や拉致かどうかが問われているのでは?
占領地で、無法な行為をしない為に慰安婦のような専門の職業があった。

「慰安婦」の大半は就業詐欺により集められ、騙されたと気づいたときにはもう逃げられない状態に陥っていたのだから事実上の誘拐である。また、日本軍が慰安所を作るようになったのは確かに日本兵による強姦があまりに多発したからだが、しかし慰安所を作ったからといって強姦が減ったわけではない。その理由は、例えば南京戦に従軍した兵士による下記の証言などから理解できるだろう。[2]

慰安所作っても強姦は減らんわ。慰安所の女はだいたい朝鮮人やった。将校用、一般用と分かれておった。料金は一円か二円くらいやったかな。(略)わしの分隊はまだましやったけど、他の兵隊は無茶苦茶や。分隊の兵隊は、ほぼみんな(強姦を)やっとった。街に行ったら“ただ”やからな。

サンプル2:

歴史は善悪論でも、道徳論でもなく、その時代の価値観に沿って理解すべきものだと思います。それが完璧にできるようになったとき、恒久平和が訪れるのではないでしょうか。

慰安所の実態は「その時代の価値観」どころか当時の時点でも違法(日本も批准していた「醜業を行わしむる為の婦女売買禁止に関する国際条約」「強制労働に関するILO 29号条約」等違反)だったし、だからこそ政府はバレないようにコソコソやっていたのだ。こんな寝言を言っている限り、恒久平和が訪れることなど永久にない。

サンプル3:

現在では、理解されないかもしれませんが・・当時は常識だったのでは
特に軍隊ともなれば当時ではどこの国の軍隊もほぼ近い事をしていたのではないかと思います。

当時、軍中央が強制売春施設の設置を計画し、推進していたのは日本とナチスドイツくらいのものだ。連合国の軍隊のまわりにも売春宿があったことは事実だが、軍がこれを作らせたり、管理・統制するなどということはなかった。また、沖縄戦のような激戦地の最前線にまで「慰安所」を作ったのは日本軍だけだろう。

サンプル4:

軍の《関与》が問題なのではなく、軍による《強制》があったかどうかが重要なのに、相変わらず卑劣な左派メディア共同通信はミスリードを続けてますね。単なる関与であれば、現在の風俗店を管轄してる警察と同じようなものです。

現在の警察が、業者を選定して警察官専用の風俗店を作らせたり、その利用規則を決めたりしているのか? 本当にそう思っているのなら、あんたらのやっていることは慰安所を設営した旧日本軍と同じだと警察庁に言いに行ったらどうか。

まったく、ネトウヨのバカさ加減には限りがない。

[1] 村瀬守保 『私の従軍中国戦線』 日本機関紙出版センター 1987年 P.106
[2] 松岡環 『南京戦 閉ざされた記憶を尋ねて』 社会評論社 2002年 P.276

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