火事場大泥棒の周囲には、当然のように小泥棒が群がる。
■ マイナンバーカード取得させたいマン
平将明 内閣府副大臣。
平将明副内閣相は5日の参院予算委員会で、ITを活用して災害時や緊急時にマスクなどの物品を国民に普及させることについて「マイナンバーカードをしっかり普及させれば技術的に難しくない」との認識を示した。自民党の小野田紀美氏への答弁。
事実上取得を強要されている公務員を含めても普及率が14%しかないマイナンバーカードでどうやって買い占めを防止するのか。だいたい、そんなものを使わなくても、例えば健康保険証(これならほぼ誰でも持っている)を使うなど、効果的な販売管理の手段は他にいくらでもある。今のマスクのような、みんなが欲しがる品薄物品をネタにマイナンバーカードを取得させて住民管理を強化しようという下心見え見えの火事場泥棒だ。
■ 「現金給付は電子マネーで」マン
桜田謙悟 経済同友会代表幹事。
政府・与党が新型コロナウイルス対策として国民1人あたりに10万円の現金を給付する検討に入ったことを受け、経済同友会の桜田謙悟代表幹事は16日、報道陣の取材に応じ、「ほぼ条件をつけないで給付することは危機管理にスピードが必要なことを考えれば、いいことだ」と歓迎する考えを示した。
同時に、タイムリーに配布することと、消費に活用されることが重要だとして、「電子マネーでの給付が望ましい」との考えを示した。現金給付ならば、貯蓄に回る可能性もあるが、電子マネーなら「消費力を維持するのにつながる」と強調した。
現金給付は「消費力を維持する」ためにするのではない。コロナ対策のための「自粛」で収入を断たれた人々がこの困難な時期を生き延びられるよう、住む家を失ったり廃業したりせずに済むよう、収入が減ろうがなくなろうが待ってはくれない家賃や光熱費、税金や社会保険料の支払いを助けるためにするのだ。
電子マネーで家賃や光熱費が払えるのか? 経済団体の代表がそんなことも分からないとはどれだけバカなのか? と思ったら、実は本人がCEOの「SOMPOホールディングス」が電子マネー事業に出資してましたというオチ。[1]
たんなる利権あさりの小泥棒だったわけだ。
■ 公有物資の横流し
コロナとの戦いの最前線に立つ医療機関にとって、いまや喉から手が出るほど欲しい貴重なマスクを、国土交通省が所管団体に購入斡旋していた(しかも数量上限なし)。[1]
新型コロナウイルスの感染拡大でマスク不足が続く中、国土交通省が全国の倉庫関係など所管する業界団体に、医療機関でも使用可能とみられる使い捨てマスクの販売業者を仲介していることが14日、静岡県内関係者への取材で分かった。(略)通知を受けた県内関係者は国による購入斡旋(あっせん)行為との見方を示し、「医療現場など、より必要性の高いところに回すのが先だ」と指摘した。
静岡新聞社が入手した文書では、マスクは50枚入り1箱3千円で、1カートン(900枚)から注文を受け付ける。販売するのは輸入関連業者とみられる。発信元は「国交省大臣官房参事官(運輸安全防災)付」で、マスク確保を調整した経済産業省から事業者の紹介を受けたと記されている。
(略)
医療機関ではマスク不足が深刻で、一部の市町は備蓄品配布などの対応に追われている。国交省が紹介する業者のマスクは不織布3層構造で、地域医療を担当する県中部の自治体幹部は「医療現場でも使えるはず。融通できるならしてほしい」と顔をしかめた。県中部の医療関係者も「販売先や方法が適切なのか」と疑念を抱く。
そんなことができるなら、なぜ政府が直接買い取って医療機関に配布しないのか。だいたい、国が大量に確保しているはずのマスクが一向に医療機関に届かないのはなぜなのか。
原田前環境大臣もマスクの斡旋をしていると文春報道。
— 白石草 (@hamemen) April 15, 2020
いつまで経っても市場にマスクが流通しないのは、マスク確保という名目で経産省が市場に介入し、政府と自民党経由でないと、マスクを購入できない仕組みになってるとか?
50枚3000円は転売ヤー価格。おかしい。この政府。
戦時中の配給物資もこれと似たような仕組みで消えていったんじゃろうか感がわきあがってきた:https://t.co/6deqHdWxiK
— 早川タダノリ (@hayakawa2600) April 15, 2020
■ 手柄泥棒
野党がさんざん要求してきた(そして自民党がさんざん拒否してきた)現金一律給付を安倍がようやく認めた途端、岸田文雄衆院議員(自民党政調会長)がこんなことを言い出した。
緊急事態宣言を全国に広げ、日本全国全ての皆様に更なるご協力をいただくにあたり、ご協力にしっかり報い、皆様の暮らしを守るために、自民党としても当初から訴えてきた10万円一律給付を前倒しで実施することを総理が決断しました。あとはスピード、全力で取り組みます。https://t.co/67sGjYVnA9
— 岸田文雄 (@kishida230) April 16, 2020
岸田は安倍後継の有力候補だそうだが、なるほどこのくらい平然と嘘がつけないと安倍の後釜は務まらないのだろう。
給付の話が進んだ途端今まで商品券だの働かざる者だのと頓珍漢な方向に偉そうにしてた奴らが手柄掠め取ろうとする無様さ、本当に反吐が出るな。そもそも今更10万を一回こっきりなんて遅きに失しすぎてるし、それを「我々の力」とか言われても無能なのは変わってないんだけど。
— 大類 (@orui04) April 16, 2020
給付は共産党が一番早かったと記憶しています。で次にれいわ新選組その次に国民民主でしたね。
— さるさる(脱原発) (@natyo3) April 16, 2020
せこい手柄泥棒だが、これに関してはマスコミも共犯だ。
野党はやってたっちゅうねん。で、そのことを知ってて(しらないはずがないだろう)このコメントを選ぶマスコミの悪意の深さに絶望が深まったわ。 https://t.co/GTaeT7dMGD
— モン=モジモジ@天皇制拒否 (@mojimoji_x) April 17, 2020
政治屋が嘘をつき、マスコミがサポートして国民を騙す。いつもの見慣れた日本の風景だが、いったいいつまでこんなことを続けるのか?
[1] 『また利権?経済同友会の桜田氏「電子マネーで給付」発言に、ネット「火事場泥棒」と炎上 』 MONEY VOICE 2020/4/17
[2] 『国交省、所管倉庫団体などへマスク斡旋 関係者「医療現場が先」』 静岡新聞 2020/4/15