イスラエルとハマスとの間の4日間の「戦闘休止」に伴い、双方で拘束されていた人々の解放が始まっている。
我らが公共放送NHKによれば、ハマス側から解放されるのは「人質」だが、イスラエルが解放するのは「囚人」であるらしい。
イスラエル パレスチナ人の囚人39人釈放見通しか
イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止の合意に基づき、日本時間の午後11時ごろ、ハマス側が解放に合意している人質50人のうち最初の13人が解放される予定となっています。
一方、イスラエルのメディアはイスラエル当局の話として24日、ハマス側の人質解放と引き換えに、イスラエルの刑務所で収容されているパレスチナ人の囚人39人が釈放される見通しだと伝えています。
だが、この同じ記事の中にはこんなことも書いてある。
ロイター通信はパレスチナ側の話として39人のうち
▽24人が女性で
▽15人が10代の男性と伝えています。
つまり、刑務所から釈放されるという「囚人」は女性と子どもばかりなのだ。
これはいったいどういうことなのか? まともな感性を持った人なら疑問に思うところだろう。
その実態はこういうことだ。
ハマスの人質は10月7日に人質となった人たち。イスラエルの人質の多くはその前から長期にわたり拘束されていた人たち。
— asadori_Qly (@AsadoriQ) November 25, 2023
イスラエルは「行政拘束」として恣意的にパレスチナ人を拉致し拘束する。その拘束は6ヶ月ごとに無期限に延長できる。報告は多数。https://t.co/ajGAIJeGx3
どれくらいのパレスチナ人がイスラエル当局に拘束されているのかを調べてみた。
— 貫洞欣寛(Kando, Yoshihiro) (@kando_abugen) November 25, 2023
AP通信によると7200人が拘束されており、うち2000人は10月7日以降に拘束された。
1967年にガザ・西岸の占領が始まって推定計75万人以上が拘束され、ほぼ全家庭に身内に被拘束者か経験者がいる。https://t.co/XcqbvOMapO
しかも、イスラエルは相手が小さな子どもでも容赦しない。
Israel is the only country in the world that tries children in military courts.
— Naks Bilal (@NaksBilal) November 24, 2023
pic.twitter.com/8C1wc0QEkK
イスラエルは子どもたちを軍事法廷で裁く世界で唯一の国だ。
Children as young as three up to seventeen face detainment, arrest, prosecution, and imprisonment under an Israeli military detention system that denies them basic rights.
— Naks Bilal (@NaksBilal) November 24, 2023
2/ pic.twitter.com/md41CtwYrF
3歳から17歳までの子どもたちは、彼らの基本的権利(人権)を認めないイスラエルの軍事拘留制度の下で、拘留、逮捕、訴追、投獄に直面している。
In 2022, Israeli forces had detained at least 865 Palestinian children.
— Naks Bilal (@NaksBilal) November 24, 2023
In the first half of 2023, 570 children, with at least 29 of the Palestinian children arrested by Israeli forces this year being below the age of 12, and two of them were just 10 years old.
5/ pic.twitter.com/ibYj6tlzg7
2022年、イスラエル軍は少なくとも865人のパレスチナ人の子どもを拘束した。
2023年上半期には570人の子どもが拘束され、今年イスラエル軍に逮捕されたパレスチナ人の子どものうち少なくとも29人は12歳未満で、そのうち2人はまだ10歳だった。
アハマドさん、13歳のときに勾留されて現在21歳。独房での虐待などもこの8年間の間に報告されたこともあり、精神のバランスを崩されたとも聞く。こういうことも現地メディア以外には、ほとんど取り沙汰されないが、「10/7以前」にも深刻な人権侵害はずっと続いている。 https://t.co/sJsb3aYYep
— 高橋美香 (@mikairvmest) November 25, 2023
その結果、こういう「囚人」たちが解放されることになるのだ。
人質交換でイスラエルの刑務所から釈放されたパレスチナの子供が、ついに母親との再会を果たした。子供達が軍の刑務所に収監されているという事実に驚きを禁じえない。米日欧のメディアは報じないが、イスラエルは無実のパレスチナ人数千人を「行政拘禁」と称して違法に拘束。日常的に拷問を行っている https://t.co/PUogyxnYIK
— Thoton Akimoto فلسطين (@AkimotoThn) November 24, 2023
16歳の時ヒジャーブを入植者に奪われそうになり、揉み合いになったところをイスラエル兵に至近距離から4発も撃たれ、30分放置されたのち「入植者を刺そうとした」として収容され16年の懲役を課された女性。「捕虜交換」で解放されたパレスチナ人のうちのひとり。 https://t.co/NWt9Y3MNUl
— なっと️⚧️️ (@nattikoi) November 24, 2023
イスラエルの刑務所から釈放された少女
— ケロ爺 (@kero_jiji) November 25, 2023
こんな小さな少女が
刑務所に入れられる程の犯罪を犯しえるか? https://t.co/TD6rxpiYKJ
ハマスがイスラエルにこうした人々を解放させようとしたら、イスラエル人を人質に取って「捕虜交換」を要求する以外に手段はない。
少なくとも、恣意的な拘束を止めるようイスラエルに圧力をかけようともしない「国際社会」に、ハマスを非難する資格はないだろう。