読む・考える・書く

マスコミやネットにあふれる偏向情報に流されないためのオルタナティブな情報を届けます。

10月7日のハマスによるイスラエル攻撃って、つまり「通州事件」だろう。

イスラエルがガザ地区で行っている残虐な殺戮行為について、まるで10月7日のハマスによるイスラエルへの大規模攻撃がその原因であり、イスラエルが行っているのは自衛権の行使、せいぜい過剰防衛程度のものであるかのような言説が日本も含む西側諸国の政府やマスコミによって繰り返されている。

しかし、これは1948年のイスラエル「建国」以来延々と続けられてきたパレスチナの人々への迫害・追放・殺戮の歴史を無視した暴論でしかない。

イスラエルがパレスチナの人々からどれほどの土地を奪ってきたかは、下の図を見れば一目瞭然だろう。

画像出典:ISRAEL & PALESTINE: THE MAPS TELL THE TRUE STORY

もちろんその過程では、ありとあらゆる虐待・殺戮・嫌がらせが行われてきた。


イスラエルがパレスチナに対してやってきたことは、かつて帝国日本が中国から台湾を奪い、「満州」(中国東北部)を奪い、さらには長城を越えて北京周辺まで侵食していった侵略の過程と良く似ている。

中国では、数十年続いてきた日本の暴虐に対する民衆の怒りが、200名あまりの日本人軍民を虐殺した「通州事件」という形で爆発した。日本ではこの事件の残虐性が誇張も交えて宣伝され中国人への憎悪を煽ったが、そもそも長年に渡る不当な侵略行為がなければこんな事件は起こらなかったのだ。

10月7日のハマスによるイスラエルへの奇襲攻撃は、これとよく似ている。

あなたは、ハマス戦闘員の85%が、かつてイスラエルのテロ攻撃によって家族を失った子どもだったことを知っていますか?

通州事件を起点として日中戦争を語るのが間違っているのと同じ理由で、10月7日の事件を起点に今回の事態を語るのもまったく間違っている。