憲法違反の秘密保護法、戦争法、共謀罪法をすべて強行採決で押し通し、さらに憲法改悪・緊急事態条項による独裁の完成へと暴走する極右安倍自民党政権。まさにこの国の未来を破滅へと導く国家的危機と言うべきなのだが、この事態に警鐘を鳴らす人々を訳知り顔で嘲笑する者たちがいる。
下のツイートなど、その典型だろう。
仕事でホテル暮らしが続いているのだが、昨日、ロビーで「安倍は独裁者」と騒いでいるおばちゃんたちがいた。サダム・フセイン時代のイラクを訪れたことがある私としては『本当の独裁国ではそんなこと言えませんよ』と思う。安倍政権に自由を担保されている人たちが、安倍政権を独裁呼ばわりする喜劇。
— 早坂隆 (@dig_nonfiction) 2017年6月27日
「安倍政権に自由を担保されている」? この人にとって、自由とは権力者から恩恵として与えてもらうものなのか?
自由権は基本的人権を支える要となる権利であり、絶対に時の政権などに手を触れさせてはならないものだ。この危機感のなさと不見識には呆れるほかない。
この方に限らず「本当の独裁国家では独裁に反対できないのだから、反対できることが独裁でない証拠」という論法を見かけるのだが「本当の死人は冷たいんですよ。だから42度の高熱が続くのは生きている証拠で死ぬはずがない」みたいなバカ理論だと思うhttps://t.co/aSlNg7o5YX
— cdb (@C4Dbeginner) 2017年6月27日
独裁の初期段階では為政者の批判も可能。独裁が進んでいく段階で、徐々にそういう事ができなくなるんですよね。ある日、突然世界がひっくり返る訳ではない。現況、独裁化が始まっている事に気づかないのであれば、それは暢気というしかない。しかし、今ならまだ、引き返せる状況だというのも事実なり。
— 松井計 (@matsuikei) 2017年6月27日
まさに、そういうことなのだ。今ならまだ止められるし、何としても止めなければならない。しかし、自民党改憲案にあるような緊急事態条項が憲法に書き込まれ、内閣が好き勝手に法律を作り、それに従うことを強制できるようになったらもう手遅れだ。
これはナチ党がドイツ国会で第一党となった1932年、ベルリンで行われた反ナチデモの写真。この時点ではまだナチに抗うことも可能だった。しかし翌1933年、ヒトラーが首相に就任し、全権委任法を成立させてすべての権力を一手に掌握すると、もはや抵抗は不可能となった。
上のツイ主はこのデモの参加者をも、「ナチに自由を担保されている人たちが、ナチを独裁呼ばわりする喜劇」と言うのだろうか。
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