イギリスの労組UNISON*によるウクライナ戦争に関する声明を三春充希さんが紹介してくれている。
*公共サービス労働者の組合で、イギリス最大の労組(組合員130万人)。
UNISON National Executive Council statement on Ukrainehttps://t.co/rmbCtfuwdX
— 三春充希(はる)?Mitsuki Miharu (@miraisyakai) March 19, 2022
ウクライナに関してイギリスの労組が出した声明。この声明はさすがだ。
読んでみると確かに見事な声明だったので、訳してみた。
ウクライナに関するUNISON全国運営委員会の声明
我々はロシアのウクライナ侵略に反対し、これを非難する。我々は、即時の停戦と、ウクライナから全ロシア軍が直ちに撤退することを要求する。ウクライナでの戦争は極めて危険な展開を見せている。
この状況には、やがてこれが広がり、エスカレートし、他の国々をも拡大しつつある国際紛争に引き込むかもしれないという危険が潜んでいる。
労働者階級は、ロシアとウクライナのどちらにおいても、戦争から得られるものは何もなく、一方で最大の代価を支払わされることになるだろう。
我々は特に、これが核戦争へとエスカレートする危険性、そしてそれが人類の生存への脅威となりかねないことを懸念する。我々は、すべての核兵器の使用と保有に対する反対を改めて表明する。
状況は悲惨ではあるが、我々は国境を越えた労働者の団結を支援する。ウクライナとロシアの労働者たちの利害は共通しているからだ。
我々は、警察による弾圧があるにもかかわらず侵略に抗議したロシアの人々と連帯する。我々は、ロシア軍兵士たちをも含めた、大規模な反戦運動の構築を支持する。
我々は、ウクライナの労働者たちがゼレンスキー政権から独立して行動し、独自の組織を構築し、独立した行動をとることを支持する。これには、侵略ロシア軍の一般兵士たちとの対話と連携を構築する試みが含まれるべきである。
我々は、戦争を利用して国家間および民族間の緊張を更に引き起こすことによって彼ら自身の組織と活動を強化しようとする極右やファシスト集団を非難する。そうした者たちはこの紛争のどちらの側にもいる。
我々は、この最悪の状況下で人道的奉仕を続けているウクライナの公共サービス労働者たちに連帯の思いを送る。また我々は、適切な場合には関連する労働組合を通じたものを含め、可能な限り彼らへの支援を構築し実際的な連帯を送るよう努める。
この戦争は、NATOの中東欧への拡大に触発されたロシア・NATO間の代理紛争でもある。我々は、NATOの拡大とNATO軍によるこの紛争へのいかなる介入にも反対する。
我々は、経済制裁が労働者たちに過大な打撃を与え、またこれが西側による攻撃的措置と見なされてプーチンへの支持を強化しかねないことを指摘する。
我々は、この件でもその他の問題でも、ジョンソン政権を信用も信頼もしていない。彼らは2年以上にわたり、パンデミックへの意図的な誤った対応を通じて、人命にまったく無頓着であることを示してきた。その結果、英国では15万人以上の命が失われた。
我々は、英国政府がロシアにおける抗議活動への国家による弾圧を批判する一方で、「警察・犯罪・判決」法案によって、英国における抗議活動と民主主義に対して権威主義的制約を課そうとしている偽善を指摘する。
我々は、戦争を逃れて英国に入国しようとする難民たちの権利に対する、英国政府の不名誉な人種差別的制限に反対する。この紛争や他の紛争から逃れてくる難民は歓迎されるべきである。我々はまた、いくつかの国境において、黒人がウクライナからの出国を妨げられている光景に恐怖を感じている。人種差別は我々を分断し戦争への反対を弱めるだけであり、このことは「国籍・国境」法案に対する反対がいかに重要であるかを示している。
英国において、我々は労働者がこの危機や新型コロナウイルス感染症などの他の危機の代償を支払わされないよう要求する。労働者は小売物価指数の上昇率を上回る賃上げを受けるべきである。我々はエネルギー価格の大幅上昇に反対し、ガス会社および電力会社の再国有化を要求する。我々はウクライナやその他の戦争で荒廃した地域から逃れる人々に提供されている避難所を支援する。オリガルヒや超富裕層の富は、労働者階級のコミュニティが必要とする資源を提供するために没収されるべきである。
戦時下においても平時と同様に、我々は、発言し、議論し、討論し、そして抗議する民主的権利を擁護する。我々は、労働運動内での議論を封じ込め、異なる見解を持つ人々を恫喝したり脅迫しようとするいかなる試みをも非難する。我々はStop the War CoalitionとCNDを引き続き支援し、組合員たちに対して、彼らの呼びかける反戦抗議行動に参加するよう要請する。
ウクライナとロシア、そして世界中の労働者は共通の利害を持っている。この恐ろしい状況下においても、我々は労働者の団結と国際主義を支持する。
以上
2022年3月16日
こういう声明が出せる日本の労働組合はないのか?
連合はどうした?