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ホリエモンと餃子店との争いは「どっちもどっち」ではない

今回のホリエモンと餃子店とのトラブルについて、ネット上には「どっちもどっち」とか「店側がブログで書いた反論がひどい」といった意見が散見されるが、それは違うと思う。なので、前回記事にいくつか補足しておくことにする。

まず、コロナ対策としてのマスク着用にせよ、あるいはドレスコードの類にせよ、差別や人権侵害に当たるようなもの(「◯◯人入店禁止」とか)でない限り、そうしたローカルルールを決める権利は店側にある。ルールが気に入らないなら行かなければいいだけの話だ。餃子店は公共施設でもなければ行かないと生活に支障をきたす場所でもなく、気に入らなければ代わりはいくらでもある。

堀江氏がマスク着用の要否に関してどんな意見を持とうと自由だが、それを店頭で店側と「議論」するのは適切とは言えない。店側にしてみれば、店頭で揉めること自体が他の客に迷惑をかけることになるし、例外を認めればルールを守って入店している客に対して不公平になる。店の人に「マスク着用でないと入店できない」と言われたのなら、素直に着用してから入店するか、嫌なら去るか、その二択しかないのだ。

ちなみに堀江氏は「どこまで厳しいのか」聞きたかったのだと言うが、全員マスクをして入店の条件をクリアすることもないまま「質問」を続けるのは、たとえばネクタイ着用がルールの店に来て「どこまでの範囲をネクタイと認めるのか」とか「ネクタイさえしていればTシャツでもいいのか」とか言い出すのと同じで、クレーマーと見なされても仕方がないだろう。

また、このトラブルが店頭からネット上に移った瞬間から、この「ケンカ」は対等なものではなくなった。一方は350万以上のフォロワーを持つ「インフルエンサー」であり、他方はたかが個人営業の餃子店でしかない。そんな店のブログでどう非難されようと堀江氏は痛くも痒くもないだろうが、店側は注文や予約を受けるために公開せざるを得ない電話番号に嫌がらせが殺到すればそれだけでアウトである。

これでは象と蟻がケンカするようなものだし、自分の土俵であるネット上に《一般論ではなく店が特定可能な状態で》問題を持ち出したのは堀江氏の側だ。

なお、店側は既に今回の経緯についてのブログ記事を(「休業のお知らせ」以外)すべて削除しているが、堀江氏は現時点でFacebookのエントリーも多数のツイートも(こんなの↓も含め)削除していない。