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「君が代」なんか捨てて「われらの日本」を国歌にしよう

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71年前の今日、1947年5月3日は、アジアに史上最悪の大災厄をもたらし、加害国日本をも破滅に陥れた明治憲法が正式に廃棄され、代って新憲法が施行された記念すべき日である。

画像出典:国立公文書館

この日、皇居前広場で開催された新憲法施行式典では、君が代ではなく新憲法施行記念国民歌「われらの日本」(作詞:土岐善麿、作曲:信時潔)が歌われた[1]。

 一九四七年五月三日、憲法施行の日はこうした普及活動の延長上に訪れたのである。四十数年も経つと、この日は一般に一枚の写真によって説明されている。それは皇居前広場で天皇・皇后が段上に登り、集まった群衆の歓呼にこたえている写真である。しかしこれは施行の式典が終わった直後の場面である。式典そのものに天皇・皇后の出席はなく、また式典では「君が代」も歌われていない。歌われたのはさきの新憲法施行記念国民歌「われらの日本」であった。

  平和のひかり天に満ち
  正義のちから地にわくや
  われら自由の民として
  新たなる日を望みつつ
  世界の前に今ぞ起つ

 この日は「われらの日本」が国歌の地位を占めた。権利の宣言としての新憲法が文語体で表現できなかったと同様に、国民主権を定めた新憲法の誕生を祝う式典に「君が代」はふさわしくなかった。当日は式典だけでなく、東京・大阪はじめ各地で記念講演会、弁論大会などが催され、京都では午後一時、市内全寺院で一斉に「平和の鐘」をついた。この日は単に憲法のみならず、国会法、内閣法、地方自治法、裁判所法といった国家の基本法もすべて新しく制定され、この日をもって施行されたのであるから、たしかに日本の歴史を画する日であったにちがいない。

YouTubeで、この「われらの日本」を聞くことができる。歌詞はもちろん、曲も、陰々滅々とした「君が代」などよりはるかに良い。


民主主義国にふさわしい国歌にすべきという主張に対しては、いつも「君が代」に代われる歌はないと言われるわけだが、そんなことはない。新たに作るまでもなく、この「われらの日本」がある。「君が代」に代わる歌がないというのは、戦前回帰を「党是」としてきた自民党政権がこれを隠し、無視し続けてきたからだ。

日本は「君が代」を廃して「われらの日本」を国歌とすべきだ。ちなみに、自民党政権は国旗国歌法によって「君が代」を国歌として確定したつもりだろうが、成文法で規定されたということは、法の改正さえすれば変えられるということでもある。それは、明文規定のない慣習法を変えるよりむしろ容易なことだ。

[1] 古関彰一 『新憲法の誕生』 中公文庫 1995年 P.338-339

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