新型コロナウイルス肺炎が猖獗を極めている欧米諸国と違って、東アジアでは未だに解明されていない(ファクターXとか謎々効果とか呼ばれている)何らかの要因によって感染率が低く抑えられてきた。しかし、丸々1年にわたってロクな感染防止策を取らずに来た日本では、とうとう指数関数的な感染爆発が起こりつつある。
この状況を「脱亜入欧」と呼んでいる人がいて、あまりに見事な例えに思わず笑ってしまったのだが、もちろんこの現実は笑い事ではない。
わお、全国7533人 東京2447人ってこれは完全に脱亜入欧に成功してしまったようだな。
— 愛国心の足りないなまけ者 (@tacowasabi0141) January 7, 2021
なるほどやはり日本は愛国者様方の言うようにアジアの国ではなく欧州の一員だったらしい、名誉白人帝国万歳(やけくそ)
以下は人口百万人あたりの日々新規感染者数の推移を示すグラフ(対数表示)。百万人あたり0.1人レベルの中国や台湾からははるかに離れ、日本はいまや百万人あたり100人を超える欧米のレベル(中台の1,000倍!)に近づきつつあることがわかる。
何しろこの国では感染防止策を怠るどころか、政権がわざわざ音頭を取ってGoToトラベルだのイートだのという感染《拡大》策を取ってきたのだから、謎々効果も吹っ飛んでしまうのは当然だろう。
お隣の韓国もこの秋からの感染拡大に苦しんできたのだが、感染爆発ルート一直線の日本と違って、12月下旬ころをピークに抑え込みに成功しつつある。
この差がなぜ生じたかといえば、理由は徹底的に検査して隔離するという、感染症対策の基本に忠実かどうかという違いだろう。(↓日韓の人口1,000人あたり日々検査数推移)
一方日本では、神奈川県(一部東京都も)で、とうとうご自慢の「積極的疫学調査」を放棄すると言い出した。
しかも、では代わって「濃厚接触者」云々にこだわらずに検査を拡充するのかといえば逆で、更に検査を絞るというのだ。
この論理は理解できるけど、じゃあどこにどうやって検査するかが重要なんだが、検査しませんになるのが破滅一直線の日本モデル
— T-T (@tcy79) January 9, 2021
「感染蔓延で経路調査に意味なし」 神奈川県、感染経路や濃厚接触者の調査を原則やめると発表 全国初<新型コロナ>:東京新聞 TOKYO Web https://t.co/ifD2GqwDf6
世界をあっと驚かせる逆転の発想。すごいね神奈川!すごいね日本!検査しないでおけばこんなに感染者が「確認」され忙しくなることもないのだ!感染者確認がなんぼのもんじゃ!(収束への道も途絶えました)https://t.co/LFY4Bp2kmg
— ono hiroshi (@hiroshimilano) January 8, 2021
これでは感染拡大に歯止めをかけるなど到底無理だ。
脱亜入欧は避けられそうにない。先行きは暗い。