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コロナ禍で日本は二度目の脱亜入欧を果たすのか?

新型コロナウイルス肺炎が猖獗を極めている欧米諸国と違って、東アジアでは未だに解明されていない(ファクターXとか謎々効果とか呼ばれている)何らかの要因によって感染率が低く抑えられてきた。しかし、丸々1年にわたってロクな感染防止策を取らずに来た日本では、とうとう指数関数的な感染爆発が起こりつつある。

この状況を「脱亜入欧」と呼んでいる人がいて、あまりに見事な例えに思わず笑ってしまったのだが、もちろんこの現実は笑い事ではない。

以下は人口百万人あたりの日々新規感染者数の推移を示すグラフ(対数表示)。百万人あたり0.1人レベルの中国や台湾からははるかに離れ、日本はいまや百万人あたり100人を超える欧米のレベル(中台の1,000倍!)に近づきつつあることがわかる。

何しろこの国では感染防止策を怠るどころか、政権がわざわざ音頭を取ってGoToトラベルだのイートだのという感染《拡大》策を取ってきたのだから、謎々効果も吹っ飛んでしまうのは当然だろう。

お隣の韓国もこの秋からの感染拡大に苦しんできたのだが、感染爆発ルート一直線の日本と違って、12月下旬ころをピークに抑え込みに成功しつつある。

この差がなぜ生じたかといえば、理由は徹底的に検査して隔離するという、感染症対策の基本に忠実かどうかという違いだろう。(↓日韓の人口1,000人あたり日々検査数推移)

一方日本では、神奈川県(一部東京都も)で、とうとうご自慢の「積極的疫学調査」を放棄すると言い出した。

しかも、では代わって「濃厚接触者」云々にこだわらずに検査を拡充するのかといえば逆で、更に検査を絞るというのだ。

これでは感染拡大に歯止めをかけるなど到底無理だ。

脱亜入欧は避けられそうにない。先行きは暗い。