ローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇(82)は24日、まず被爆地の長崎、ついで広島を訪れた。教皇は爆心地公園(長崎)と平和記念公園(広島)で核兵器のない世界の実現を訴えるスピーチを行い、長崎県営野球場では約3万人の信徒たちとともにミサを執り行った。
広島でのスピーチでは、原爆による犠牲者は日本人だけではなかったことにも言及している。
あわれみの神、歴史の主よ、この場所から、わたしたちはあなたに目を向けます。死といのち、崩壊と再生、苦しみといつくしみの交差するこの場所から。
ここで、大勢の人が、その夢と希望が、一瞬の閃光と炎によって跡形もなく消され、影と沈黙だけが残りました。一瞬のうちに、すべてが破壊と死というブラックホールに飲み込まれました。その沈黙の淵から、亡き人々のすさまじい叫び声が、今なお聞こえてきます。さまざまな場所から集まり、それぞれの名をもち、なかには、異なる言語を話す人たちもいました。そのすべての人が、同じ運命によって、このおぞましい一瞬で結ばれたのです。その瞬間は、この国の歴史だけでなく、人類の顔に永遠に刻まれました。
この場所のすべての犠牲者を記憶にとどめます。また、あの時を生き延びたかたがたを前に、その強さと誇りに、深く敬意を表します。その後の長きにわたり、身体の激しい苦痛と、心の中の生きる力をむしばんでいく死の兆しを忍んでこられたからです。
長崎でのミサには日本国内の信者だけでなく韓国やフィリピンなど近隣アジア諸国の信者も参加していたが、なんと、このミサに出席するために来日した高齢の韓国人被爆者や支援者が、福岡空港で入管によって5時間も足止めされていた。
今日のフランシスコ教皇ミサに参列する在韓被爆者たちが昨日、福岡入管で5時間も足止め。教皇に招待されたミサに参列なのに…。毎回、安倍政権にとって不利な発言をする人たちが入管で足止めをくらっているが、まさか昨日もするとは。驚きよりも呆れました。
— Megumi (@hir0814) November 24, 2019
大司教に招かれ来日した韓国人被爆者グループが福岡空港で”拘束”されたの、”東京”からの指示によるこれの適用だそうだ。あきらかに日本政府による嫌がらせ。https://t.co/jKBgASKZdl
— SIVA (@sivaprod) November 24, 2019
入管が外国人の入国を拒否できる法的根拠は以下しかないが、韓国人被爆者たちがこのどれにも当たらないことは明白だろう。
我が国にとって上陸を認めることが好ましくない外国人の類型が上陸拒否事由で,具体的には次のような類型の外国人が我が国への入国を拒否されます。
- 保健・衛生上の観点から上陸を認めることが好ましくない者
- 反社会性が強いと認められることにより上陸を認めることが好ましくない者
- 我が国から退去強制を受けたこと等により上陸を認めることが好ましくない者
- 我が国の利益又は公安を害するおそれがあるため上陸を認めることが好ましくない者
- 相互主義に基づき上陸を認めない者
実際、現場で入管に抗議した後藤富和弁護士によると、入管の係官はなぜ彼らが上陸拒否事由にあたるか説明できず、ただ上から指示されて彼らの入国を妨害していただけだった。要するに、嫌がらせである。
昨日の福岡国際空港出入国在留管理局での顛末を報告します。
— 後藤富和@弁護士 (@ponkititurbo) November 24, 2019
長文になりましたので、私のフェイスブックにアップしました。https://t.co/6HScvrmrgL
ローマ法皇の来日に伴い、大司教から招待を受けた韓国人被爆者のグループが福岡国際空港に到着しました。そのグループの4名のメンバーが、入国審査で通してもらえず、入管法7条1項4号、10条1項による口頭審理を受けることとなりました。
(略)
ただ、なぜ、この4名が同法7条1項4号、5条各号に該当するおそれがあると判断されたのか、この点、係官は形式上の説明を繰り返すだけで具体的な説明は一切ありませんでした。
(略)
さらに私から、私も観光目的で外国の教会に行くことがある。先日もフィンランドのヘルシンキに行きヘルシンキ大聖堂を観光した。だからといって税関で止められたことはない。なぜ彼らだけを、長崎の教会に観光に行くことを理由に口頭審査を行ったのか納得のいく説明をせよと迫りましたが、この係官もそれ以上は答えられないようでした。おそらく答える権限を持っていないのでしょう。電話で東京の本庁の指示を仰ぎながらこの口頭審査を行っていたとのことでしたから。
幸い今回は無事入国できたものの、弁護士の支援がなければ彼らは入国を拒否されたままミサにも参列できなかったかもしれない。
現場の係官も、東京から指図していた本庁の連中も、こんな「仕事」をしていて恥ずかしくないのか。
恥を知れ、としか言いようがない。
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