歴史認識
半藤一利の原作をほぼ忠実に映画化した、岡本喜八監督の映画『日本のいちばん長い日』(1967年)。日本の降伏に至る最後の数日間、とりわけ8月15日の「玉音放送」までの24時間を、息詰まるような緊張感で描いた名作と評価されている。 以前見たときは確かに…
先日、こちらの記事でレイテ沖海戦(サマール沖海戦)を取り上げたが、 vergil.hateblo.jp この海戦で日本軍の栗田艦隊と戦い沈没した米駆逐艦ジョンストンが、フィリピン海の深度6,500メートルの海底で見つかったという。これは、現在までに知られている沈…
弱小部隊だった「タフィー3」 1944年10月、フィリピン奪還を目指して殺到する米軍機動部隊とこれを防ごうとする日本軍連合艦隊が激突したレイテ沖海戦。 日本側では、航空支援のない連合艦隊が多数の米軍機による激しい攻撃にさらされ、武蔵をはじめ多くの…
「僕の曾祖父の祖父」がインパール作戦で艦砲射撃w このウヨ氏によると、自分の「曾祖父の祖父」が、インパール作戦の際に巡洋艦から艦砲射撃を行ったという。 さんざん突っ込まれているこれ、140字のなかに、きっちり「乗組員は血が出るほど唇を噛み号泣し…
『鬼滅の刃』では、鬼殺隊の剣士たちがさまざまな技を繰り出して鬼の首を斬っている。鬼を殺すには、日光に晒すか、太陽の力が宿る特別な日本刀である「日輪刀」で首を斬り落とすしかない、という設定だからだ。 この作品で描かれた戦いの様相が、日中戦争で…
日本軍によるエクソ・カニバリズム「父島事件」 文春オンラインに、アメリカ人捕虜を殺してその肉を食べた、小笠原諸島父島での事件を取り上げた記事が掲載されている。[1][2] ガダルカナル、インパール、フィリピンなど、拙劣な作戦計画のために補給を絶た…
8月15日の東京新聞に、沖縄戦で米軍の捕虜となった元日本兵のインタビュー記事が載っていた。[1] 戦地で見た地獄絵図が、今もまぶたに焼き付いている。群馬県伊勢崎市の栗原夏雄さん(九九)は日中戦争で、軍命に従い捕虜を拷問し、銃殺した。沖縄戦では米…
『この世界の片隅に』で太極旗シーン以上に問題なのが、憲兵が出てくるエピソードだ。この話は以前にも一度取り上げているので内容が一部重複するが、改めて問題点を整理してみることにする。なお、このエピソードに関しては原作マンガとアニメ版に大きな違…
『この世界の片隅に』でとりわけ違和感を感じるシーンとして、8.15の玉音放送を聞いたあと、すずが翻る太極旗を見てはっと何かを悟り、泣き崩れる場面がある。 こうの史代の原作マンガでは、すずは「暴力で従えとったいう事か」「じゃけえ暴力に屈するいう事…
徐正雨(ソ・ジョンウ)さんは、1943年、わずか14歳で日本に強制連行され、監獄島とも地獄島とも呼ばれた三菱鉱業高島炭鉱端島坑(軍艦島)に送り込まれた。軍艦島での体験についての徐さんの証言の一部を、以下の記事で紹介している。 その後、続発する坑内…
BC級戦犯裁判に関する2大デマと言うべき「ゴボウ」と「お灸」だが、日経新聞と日経BPが共同運営するサイト「NIKKEY STYLE」にこれが載っているのを見つけてしまった。『こまつ座「闇に咲く花」 戦争責任の矛盾突きつける井上ひさし作品』という演劇評記事だ…
戦後のBC級戦犯裁判に関して日本人の間に広く流布している物語が二つある。 一つは、「栄養不良に苦しむ捕虜に親切心からゴボウを食べさせてあげたのに、木の根を食わせた虐待だとして戦犯にされた」というもので、1958年のTVドラマ『私は貝になりたい』(翌…
『私は貝になりたい』は、1958年にラジオ東京テレビ(現在のTBS)がテレビドラマとして制作し、芸術祭文部大臣賞を受賞するなど、テレビドラマの名作として高く評価された作品だ。続いて翌年にはドラマ版と同じ橋本忍の監督により映画化もされている。 ドラ…
歴史的事実を否定する「産業遺産情報センター」 世界文化遺産に登録された軍艦島(端島)などの解説を行う施設「産業遺産情報センター」が15日から一般公開された。しかし、懸念されてきたとおり、朝鮮人徴用工への差別や虐待はなかったとする展示内容になっ…
大学生の娘を持つウヨ親が、課題の練習問題を読んで震えている。 以下が、ウヨ親が怖くてたまらないらしい課題の内容。 (1)以下の文章を100字以内で要約せよ。 インドネシアはオランダの植民地だったことで知られるが、日本も1942年から1945年までイン…
ホロコースト博物館が提供する警察官教育プログラム 日本の警察官教育はヘイトを植え付けるカルト教育 反省なき国はまた過ちを繰り返す ホロコースト博物館が提供する警察官教育プログラム 今年1月27日はソ連軍によるアウシュヴィッツ強制収容所の解放から7…
「自粛警察」の異常行動が頻発 一部の暴力的な人間が攻撃性を抑制できなくなっている? いわゆる「正義の暴走」なのか? 「官許の暴力」を振るう自粛警察は関東大震災時の自警団に似ている 「自粛警察」の異常行動が頻発 コロナ問題によるイライラが募るなか…
何をどう間違うとこんな妄想脳が出来上がってしまうのだろうか? 今 私達が生きているのは大東亜戦争で戦ってくれた神風特攻隊が「九死に一生」ではなく「十死零生」とわかって護ってくれたからです 日本人はずっと堪え忍んできました。 靖國神社に眠る英霊…
関東大震災時の朝鮮人虐殺の際、朝鮮人と間違えられて殺されかけた日本人としては俳優の千田是也氏が知られているが、もう一人、歴史家の ねずまさし(禰津正志)氏も同じような目に遭っていた。 以下はねず氏の証言。[1] 殺されかけた私の思い出=根岸八幡…
日本郵船の大型貨客船三池丸(11,738トン)は、北米航路への就航を予定して建造されたが、結局一度も本来の航路を航海することなく、竣工直後の1941年10月に陸軍に徴傭され、南方への兵員や物資の輸送に使われた。 三池丸(画像出典:Wikipedia) この三池丸…
前回記事への補足。 この件を報じた共同通信記事では「旧日本軍の従軍慰安婦問題を巡り、関連する公文書の収集を続ける内閣官房が2017、18年度、新たに計23件を集めたことが6日、分かった。」などと、内閣官房がこれらの文書を見つけたかのような書きぶりだ…
共同通信のスクープ 12月6日、共同通信が、日本軍慰安所(レイプセンター)制度への軍の関与を裏付ける外務省文書の存在をスクープした。 this.kiji.is (略)在中国の日本領事館の報告書には「陸軍側は兵員70名に対し1名位の酌婦を要する意向」「軍用車に…
中曽根の葬儀こそ「民営化」すべき 中曽根、インドネシアに「慰安所」を開設 問題が大きくなると慰安所での性行為強制を否定 罪を認めないまま死んだ卑怯者 10月29日、中曽根康弘が死んだ。101歳だったという。 中曽根の葬儀こそ「民営化」すべき この中曽根…
戦後の日本はフィリピンに尊敬されていた!? フィリピンにおける日本軍の蛮行 憎まれ、石を投げられた日本兵たち 何も知らないのは日本人だけ その言葉を使っているだけで当人がネトウヨだと判明してしまう、リトマス試験紙のような用語がいくつかある。「…
特攻隊を美化するバカウヨは珍しくもないが、先日、中学校の、それも道徳の授業でそれが行われているという話が流れてきたのには驚きかつ呆れた。 僕の学校で道徳の授業をしました!題名は「先人達の生き方に学ぶ」です内容は特攻隊についてです。始めに先生…
今朝起きてテレビをつけたら、首里城が火災でほぼ全焼というニュースが流れていて、言葉を失った。 画像出典:BBC 首里城は数百年に渡って琉球王国の政治と文化の中心だった建物だ。また、「城」と言っても、首里城は日本の城などとは違って軍事的性格は極め…
こんなのはいちいち言うまでもなく当たり前のことで、なぜわざわざ説明しなければならないのか、困惑するしかない。本当に、ウヨい人たちというのはどうしてこうバカなのだろうか。 韓国人が嫌う旭日旗の本当の意味は 天照大御神が由来↓左写真 天照大御神が…
8月17日に放映されたNHKスペシャル『昭和天皇は何を語ったのか ~初公開・秘録「拝謁記」~』。戦後初代の宮内庁長官となった田島道治が天皇裕仁の言動を5年近くにわたって詳細に記録した文書が新たに発見(遺族により公開)され、その内容を紹介した番組…
「表現の不自由展・その後」が右派の脅迫のせいで中止に 河村たかしの妄言「(少女像は)日本人の、国民の心を踏みにじるもの」 「慰安婦」への戦時性暴力は否定しようのない事実 少女像を恐れるのは負の歴史から逃げ回る卑怯者だからだ 「表現の不自由展・…
最後まで降伏しなかった軍司令官がもたらした悲劇 前回記事で、沖縄の慰霊の日である23日、自衛官約30名が第32軍司令官牛島満中将らを祀った「黎明の塔」に「自主参拝」した問題を取り上げた。 しかし、この牛島司令官は、決して沖縄戦を最後まで戦った「悲…